【再びの流行に注意!】おたふくかぜの正しい知識とワクチンの重要性 - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

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【再びの流行に注意!】おたふくかぜの正しい知識とワクチンの重要性

今回は「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)」についてお話しします。最近、外来でお母さん方からよくこんな声を耳にします。

「おたふくかぜに罹ることってあります?」

「おたふくかぜの予防接種は自費だから、打たなくてもいいかなって思ってました」

確かに、おたふくかぜのワクチンは任意接種(自費)です。でも、だからといって“打たなくてもいい”ということにはなりません。むしろ、しっかり予防しておくべき感染症の一つなのです。


■ おたふくかぜってどんな病気?

おたふくかぜは「ムンプスウイルス」によって起こる感染症で、耳の下(耳下腺)が腫れて痛むのが特徴です。発熱を伴うことも多く、食事や会話がつらくなることもあります。

子どもがかかる病気というイメージがありますが、大人になってから感染すると、より重症化しやすく、男性で約20~30%に睾丸炎、女性では約7%に卵巣炎を合併し不妊のリスクになることが知られています。


■ 5年ごとの流行サイクル、2025年は要注意!

東京都の報告によると、おたふくかぜは過去に2000年、2005年、2010年、2015年およそ5年ごとに流行が繰り返されてきました。近年は流行の法則性がやや薄れているとはいえ、再流行の可能性はあると考えられます。


■ 自費でもワクチンは「必要」です

おたふくかぜワクチンは、残念ながら現時点では定期接種(公費負担)ではありません。そのため、費用は自己負担になります(自治体によっては助成制度あり)。

外来でよくこう言われます。

「自費だから、打つ必要ないって思ってました」

でも、それは大きな大きな誤解です。

おたふくかぜは合併症が怖い病気でもあります。最も心配なのは、「ムンプス難聴」と呼ばれるおたふくかぜによる聴力障害。実際に、永続的に難聴を残してしまうケースもあります。

また、脳炎や髄膜炎といった重篤な合併症も報告されています。これらは一度かかってしまってからでは取り返しがつかないこともあるのです。


■ ワクチンで防げる病気は、ワクチンで防ごう

おたふくかぜのワクチンは1回だけでは不十分で、2回の接種が推奨されています(1回目は1歳、2回目は年長~小学校入学前が目安)。

日本小児科学会も、おたふくかぜワクチンの定期接種化を強く求めています。現に、アメリカや韓国などの先進国では定期接種化されており、流行や合併症のリスクは大きく減少しています。

現在の百日咳の流行のように、ひとたび感染が流行するとワクチン接種の希望者が医療機関に大量に押し寄せます。その結果、ワクチンはすぐさま足りなくなってしまいます。流行のない平時から、1歳および年長さんでおたふくかぜワクチン接種をすることを強く推奨します。大人の方でこれまで2回のおたふくかぜワクチン接種を行っていない方も、接種を検討してください。


■ まとめ:おたふくかぜ、軽く見ないで

  • おたふくかぜは子どもだけでなく、大人でも重症化する感染症です。

  • おたふくかぜの再流行が懸念されます。

  • 「自費だから打たない」ではなく、「守るために打つ」という意識を。

  • 難聴などの合併症を防ぐためにも、2回のワクチン接種を強くおすすめします。


■ 当院でもおたふくかぜワクチンを受け付けています

「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」では、おたふくかぜワクチンの接種を受け付けております。スケジュールの相談なども、お気軽にご相談ください。

子どもたちの未来のために、「かからない」選択をしましょう。

<参考>
国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト「流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)」
Yahooニュース「おたふくかぜ(ムンプス)の流行が近づいている?おたふくかぜによる難聴は治りにくい?小児科医が解説」

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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