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お子さんが頭をかゆそうにしていたり、フケのようなものが髪についているのを見つけたりして、「もしかして、アタマジラミ…?」とドキッとした経験、ありませんか?
「アタマジラミ」と聞くと、なんだか清潔にしていないからかかる病気のようなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、アタマジラミは誰にでも感染する可能性があり、決して珍しいことではないんです。特に、幼稚園や小学校など、お子さんが集団生活を送る場では、感染のリスクがどうしても高まります。
「見つけたらどうしよう」「どうやって対処すればいいの?」と不安に感じている親御さんも多いことでしょう。でも、ご安心ください!アタマジラミは、正しい知識と落ち着いた対処法を知っていれば、決して怖いものではありません。この記事では、お子さんを持つ親御さんが「アタマジラミ」について知っておくべきこと、そして万が一見つけてしまった場合の安心な対策方法を、分かりやすく徹底解説します。
まず、「アタマジラミ」がどんな虫なのか、簡単に知っておきましょう。
アタマジラミは、人間の頭皮に寄生して、血を吸って生きる小さな昆虫です。大きさは成虫で2~4mmほどで、色は灰色がかった半透明です。髪の毛を素早く移動するため、なかなか見つけにくいのが特徴です。
ここでよく誤解されがちなのが、「不潔にしているとかかる」というイメージです。でもこれは間違い!アタマジラミは、髪の毛の清潔さとは関係なく感染します。毎日シャンプーをしていても、頭が綺麗でも、誰にでもつく可能性があるんです。また、シラミは飛んだり跳ねたりすることはできません。あくまでも頭から頭への直接的な接触が主な感染経路となります。
お子さんが頭を頻繁にかゆがっていたら、アタマジラミのサインかもしれません。特に注意したい症状と、見つけ方をご紹介します。
アタマジラミのサイン
アタマジラミの見つけ方
もし、「虫が動いているのが見えた」「特徴的な白い粒が何個も見つかった」という場合は、アタマジラミがいる可能性が非常に高いです。
お子さんのアタマジラミが見つかると、「どうしてうちの子だけ?」と不安になるかもしれません。しかし、アタマジラミの感染経路を知れば、その不安も和らぐはずです。
主な感染経路
アタマジラミは、ほとんどの場合、頭と頭が直接触れ合うことで感染します。
帽子、タオル、クシ、寝具などの共有でも感染のリスクはありますが、頭と頭の接触に比べるとその確率は低いとされています。アタマジラミは頭から離れてしまうと、血を吸えないため長くは生きられません。
予防のヒント
完全に感染を防ぐことは難しいですが、日頃から少し意識することで、リスクを減らすことができます。
「やっぱりアタマジラミだった!」と分かっても、決して慌てる必要はありません。落ち着いて、以下のステップで対処しましょう。
ステップ1:専用のシャンプーで対処する
薬局には、アタマジラミ専用の駆除シャンプーやローション(スミスリン®)が市販されています。「シラミ駆除薬」として薬剤師さんに相談して購入しましょう。
ステップ2:目の細かいクシ(ニットコーム)で卵を取り除く
薬剤を使用しても、卵には効果が薄い場合があります。また、死んだ卵も髪に付着したままになります。
ステップ3:寝具や衣類の洗濯と乾燥
アタマジラミは熱に弱い性質があります。
これらの対策を、少なくとも卵の孵化期間を過ぎるまで(約2週間)は継続的に行うことが重要です。焦らず、根気強く対処していきましょう。
「自分で駆除するのが不安…」「なかなか治らない」という場合は、ためらわずに専門機関に相談しましょう。
お子さんのアタマジラミが見つかると、つい「自分のせいだ」「周りにどう思われるだろう」と、親御さんが自分を責めてしまうことがあるかもしれません。でも、どうかご自身を責めないでください。
アタマジラミは、清潔さとは関係なく感染する、ごく一般的な感染症です。お子さんが集団生活を送る上で、誰もが経験する可能性のあることなんです。大切なのは、早期に発見し、正しい知識を持って適切に対処すること。そして、お子さんを安心させてあげることです。
焦らず、落ち着いて対策を進めれば、必ず治すことができます。一人で悩まず、ご相談ください!
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)