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「これってリンゴ病?」と心配な親御さんへ!小児科医が伝える伝染性紅斑の基礎知識とホームケア

日々の診療で、

「子どもの顔が真っ赤なんだけど、これってリンゴ病?」

と心配されて来院される親御さんにお会いすることは多々あります。

今回は、「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」、通称「リンゴ病」について、日本小児科学会認定小児科専門医の視点から詳しくお話ししたいと思います。


 

リンゴ病って、そもそもどんな病気?

リンゴ病は、パルボウイルスB19というウイルスが原因で起こる、子どもの間でよく見られる感染症です。感染すると、まるでリンゴのように両頬が真っ赤になることから、この愛称で呼ばれています。

正式名称の伝染性紅斑は、「伝染する赤い発疹の病気」という意味です。まさに、その名前通りの病気ですね。

この病気、実は発疹が出た頃には、すでにウイルスの排泄がほぼ終わっているため、発疹が出てからほかの人にうつす心配はほとんどありません。これが、インフルエンザや手足口病など、他の感染症と大きく違う点です。

感染力が最も強いのは、発疹が出る前の、いわゆる風邪の症状が出ている時期です。具体的には、熱や鼻水、だるさといった、風邪にそっくりな症状が見られます。この時期に、咳やくしゃみなどでウイルスが飛び散り、それを吸い込むことで感染が広がります。


 

リンゴ病の典型的な経過

「うちの子、もしかして…?」と思ったら、以下の典型的な経過を参考にしてみてください。

  1. 潜伏期間(約10日~20日)ウイルスに感染してから症状が出るまでの期間です。この間は特に何も症状はありません。
  2. 前駆症状(発疹が出る数日前)軽度の発熱、全身のだるさ、筋肉痛、頭痛などの風邪のような症状が出ることがあります。この時期が最も感染力が強いので要注意です。
  3. 発疹期(発症から約1週間後)前駆症状が治まった頃、顔が真っ赤になる発疹が出始めます。両頬が赤く腫れ上がり、まるでリンゴのようになります。
    続いて、腕や足、お腹、背中などにレース状、網目状、あるいは斑状の発疹が広がります。この発疹は、日に当たったり、お風呂に入って体が温まったり、精神的な興奮で血行が良くなったりすると、よりはっきりと見えやすくなります。

 

発疹が出た!どうすればいい?

「顔が赤くなって、体に変な発疹が出てる!」と慌ててしまう親御さんもいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。

実は、リンゴ病の発疹は、かゆみや痛みを伴わないことがほとんどです。そのため、基本的には特別な治療は必要ありません。発疹は数日から1週間ほどで自然に消えていきます。

しかし、注意していただきたい点がいくつかあります。

  • かゆみ
    まれにかゆみが出ることがあります。その際は、かきむしってしまうことで皮膚を傷つけたり、とびひになったりすることがあります。当院ではかゆみを抑えるお薬を処方できますので、気になる場合はご相談ください。
  • 発疹の再燃
    一度消えたように見えても、再び発疹が現れることがあります。これは、お風呂で温まったり、運動したり、日光に当たったりといった刺激が原因で、一時的に血行が良くなるためです。病気がぶり返したわけではないので心配いりません。

 

「登園・登校はいつからOK?」

これは多くの親御さんが疑問に思う点だと思います。

リンゴ病は、発疹が出始めた時にはすでに感染力がほとんどありません。そのため、熱がなく、お子さん本人が元気で、食欲もいつも通りであれば、登園・登校は可能です。

ただし、保育園や幼稚園、学校によっては独自のルールを設けている場合があります。事前に確認されることをお勧めします。


 

注意が必要なケース

ほとんどの場合、リンゴ病は自然に治る良性の病気です。しかし、いくつかのケースでは注意が必要です。

 

1. 妊婦さんへの感染

リンゴ病は、大人にも感染します。特に、妊娠中に初めて感染すると、流産や胎児水腫(お腹の中の赤ちゃんに水がたまる病気)を引き起こす可能性があります。

そのため、もしお子さんがリンゴ病と診断された場合は、妊婦さんとの接触は避けるようにしてください。また、妊娠中の方は、お子さんの周りでリンゴ病が流行している場合は、手洗い・うがいを徹底し、感染予防を心がけましょう。

 

2. 溶血性貧血をお持ちのお子さん

溶血性貧血とは、赤血球が壊れやすい病気の総称です。この病気を持つお子さんがリンゴ病に感染すると、体内の赤血球が急激に減少し、重い貧血を引き起こす可能性があります。

この場合は、小児科医の指示に従い、適切な治療を受ける必要があります。


 

まとめ

リンゴ病は、見た目がとても特徴的なので心配になるかもしれませんが、ほとんどの場合は特別な治療をせずとも自然に治る、比較的おだやかな病気です。

大切なのは、以下の3つのポイントを覚えておくことです。

  1. 発疹が出た時には、もう感染力はほとんどない!
  2. 顔や体に発疹が出ても、熱がなく元気なら登園・登校OK!
  3. 妊婦さんへの感染には注意!

もし、お子さんの発疹がリンゴ病かどうか判断に迷う場合や、かゆみなどの症状がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。

お子さんの健やかな成長を、これからも全力でサポートさせていただきます。


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<参考>

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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