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誤嚥・窒息事故ってどんなときに起きるの?
特に注意が必要な年齢は?
危険な食べ物・おもちゃの例
今日からできる!誤嚥・窒息を防ぐ5つの対策
もしもの時の応急処置
まとめ:見守りと環境づくりで事故を防ごう
小さなお子さんは、好奇心が旺盛で、手にしたものを何でも口に入れたがる傾向があります。まだ噛む力や飲み込む力が未発達なため、思いがけず気道をふさいでしまう「誤嚥」や「窒息」の事故が、日常の中で突然起きることがあります。
消費者庁の発表によると、2023年度には、5歳未満の子どもによる誤嚥事故で9人が亡くなったと報告されています。また、東京消防庁の報告では、乳幼児がのどを詰まらせて窒息し救急搬送された例は、5年間で5000人超といわれています。特に死亡事故の多くは、家庭の中で、ごく身近にある食品や小物によって起きています。
NHKニュース記事
誤嚥や窒息のリスクが高いのは、以下の年齢層です:
1歳前後:何でも口に入れて確かめる「探索期」
2歳頃:食事中に動き回ったり、口に入れたまま遊んだりする時期
3歳頃まで:奥歯がまだ生えておらず、噛まずに飲み込もうとしがち
5歳以下の子どもは、口の大きさに対して気道がとても狭く、何かが詰まった際に呼吸が止まりやすい特徴があります。親が見ていない“ほんの一瞬”に事故は起こります。
消費者庁の報告では、次のような食品が死亡事故につながるケースが多く見られました:
節分の豆・ピーナッツなどの豆類(特に死亡例が多い)
ミニトマト・ぶどう・さくらんぼ(丸い・つるつるして飲み込みやすい)
もち・団子・パンの耳(粘着性が高い)
こんにゃくゼリーや凍ったゼリー
➡ 固くて丸く、口の中ですべりやすいものは要注意。
与える際は必ず小さくカットし、やわらかく調理するなどの配慮が必要です。
家庭内の意外なアイテムも誤嚥の原因になります:
ボタン電池やマグネット
小さなビーズやおもちゃのパーツ
ガチャガチャの景品
クリップや紙くずなど
➡ 「トイレットペーパーの芯(直径約4cm)を通る物」は、子どもの口にすっぽり入ってしまいます。
これを一つの基準にして、おもちゃや小物のサイズをチェックしましょう。
政府広報オンラインHPから抜粋
食事中は目を離さず、座って食べる習慣をつける
→ 歩きながらの「ながら食べ」は誤嚥のリスクを高めます。
丸いものはカット、固いものは避ける or やわらかく調理する
→ トマトやぶどうは4つに切る、豆類は3歳未満には与えないなど。
年齢に合ったおもちゃを選ぶ
→ パーツのサイズや対象年齢をしっかり確認しましょう。
兄弟姉妹のおもちゃや文房具も見直す
→ 上の子の持ち物が下の子の事故につながるケースも。
大人が応急処置を学んでおく
→ 事故時には、すぐに背中を叩いたり(背部叩打法)、腹部圧迫法を行えるようにしておきましょう。
● 苦しそうな様子、声が出ない、顔色が青い
→ すぐに119番通報を!
→ 背部叩打法(はいぶこうだほう)
赤ちゃんをうつぶせに抱き、頭を体より低くする
肩甲骨の間を力強く5回叩く
→ 腹部突き上げ法(ハイムリック法)
ただし、これは訓練が必要なため、可能であれば地域の救急講習などを受けておきましょう。
子どもの誤嚥や窒息事故は、どんなご家庭でも起こり得る身近な危険です。
でも、「危ないかも」と気づけること、そして環境を整えておくことで、多くの事故は未然に防ぐことができます。
食べ物のサイズや硬さに配慮する
おもちゃや小物はトイレットペーパーの芯が通らない大きさを選ぶ
食事中や遊び中は、そばで見守る
子どもたちの健やかな成長と、安心できる家庭づくりを応援しています。気になることがあれば、いつでもご相談ください。
<参考>
・消費者庁HP「おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」
・政府広報オンライン「赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?」
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)