「えっ、こんなモノも!?」0~3歳の誤嚥・窒息事故を防ぐ5つのポイント - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

ご予約・お問い合わせ
tel.044-739-0888
  • WEB予約
  • ご意見箱
所在地
神奈川県川崎市中原区
小杉町2-228-1-1F
パークシティー武蔵小杉
ザガーデンタワーズウエスト

ご意見箱

MENU

「えっ、こんなモノも!?」0~3歳の誤嚥・窒息事故を防ぐ5つのポイント - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

tel.044-739-0888

ブログ

Blog

「えっ、こんなモノも!?」0~3歳の誤嚥・窒息事故を防ぐ5つのポイント

目次

  1. 誤嚥・窒息事故ってどんなときに起きるの?

  2. 特に注意が必要な年齢は?

  3. 危険な食べ物・おもちゃの例

  4. 今日からできる!誤嚥・窒息を防ぐ5つの対策

  5. もしもの時の応急処置

  6. まとめ:見守りと環境づくりで事故を防ごう


1. 誤嚥・窒息事故ってどんなときに起きるの?

小さなお子さんは、好奇心が旺盛で、手にしたものを何でも口に入れたがる傾向があります。まだ噛む力や飲み込む力が未発達なため、思いがけず気道をふさいでしまう「誤嚥」や「窒息」の事故が、日常の中で突然起きることがあります。

消費者庁の発表によると、2023年度には、5歳未満の子どもによる誤嚥事故で9人が亡くなったと報告されています。また、東京消防庁の報告では、乳幼児がのどを詰まらせて窒息し救急搬送された例は、5年間で5000人超といわれています。特に死亡事故の多くは、家庭の中で、ごく身近にある食品や小物によって起きています。
NHKニュース記事


2. 特に注意が必要な年齢は?

誤嚥や窒息のリスクが高いのは、以下の年齢層です:

  • 1歳前後:何でも口に入れて確かめる「探索期」

  • 2歳頃:食事中に動き回ったり、口に入れたまま遊んだりする時期

  • 3歳頃まで:奥歯がまだ生えておらず、噛まずに飲み込もうとしがち

5歳以下の子どもは、口の大きさに対して気道がとても狭く、何かが詰まった際に呼吸が止まりやすい特徴があります。親が見ていない“ほんの一瞬”に事故は起こります。


3. 危険な食べ物・おもちゃの例

◇誤嚥・窒息しやすい食べ物

消費者庁の報告では、次のような食品が死亡事故につながるケースが多く見られました:

  • 節分の豆・ピーナッツなどの豆類(特に死亡例が多い)

  • ミニトマト・ぶどう・さくらんぼ(丸い・つるつるして飲み込みやすい)

  • もち・団子・パンの耳(粘着性が高い)

  • こんにゃくゼリーや凍ったゼリー

固くて丸く、口の中ですべりやすいものは要注意。
与える際は必ず小さくカットし、やわらかく調理するなどの配慮が必要です。

◇小物類

家庭内の意外なアイテムも誤嚥の原因になります:

  • ボタン電池やマグネット

  • 小さなビーズやおもちゃのパーツ

  • ガチャガチャの景品

  • クリップや紙くずなど

トイレットペーパーの芯(直径約4cm)を通る物」は、子どもの口にすっぽり入ってしまいます。
これを一つの基準にして、おもちゃや小物のサイズをチェックしましょう。


政府広報オンラインHPから抜粋


4. 今日からできる!誤嚥・窒息を防ぐ5つの対策

  1. 食事中は目を離さず、座って食べる習慣をつける
     → 歩きながらの「ながら食べ」は誤嚥のリスクを高めます。

  2. 丸いものはカット、固いものは避ける or やわらかく調理する
     → トマトやぶどうは4つに切る、豆類は3歳未満には与えないなど。

  3. 年齢に合ったおもちゃを選ぶ
     → パーツのサイズや対象年齢をしっかり確認しましょう。

  4. 兄弟姉妹のおもちゃや文房具も見直す
     → 上の子の持ち物が下の子の事故につながるケースも。

  5. 大人が応急処置を学んでおく
     → 事故時には、すぐに背中を叩いたり(背部叩打法)、腹部圧迫法を行えるようにしておきましょう。


5. もしもの時の応急処置

苦しそうな様子、声が出ない、顔色が青い
 → すぐに119番通報を!

👶 1歳未満の場合

背部叩打法(はいぶこうだほう)

  1. 赤ちゃんをうつぶせに抱き、頭を体より低くする

  2. 肩甲骨の間を力強く5回叩く

👧 1歳以上の場合

腹部突き上げ法(ハイムリック法)

ただし、これは訓練が必要なため、可能であれば地域の救急講習などを受けておきましょう。


6. まとめ:事故は予防できます

子どもの誤嚥や窒息事故は、どんなご家庭でも起こり得る身近な危険です。
でも、「危ないかも」と気づけること、そして環境を整えておくことで、多くの事故は未然に防ぐことができます。

  • 食べ物のサイズや硬さに配慮する

  • おもちゃや小物はトイレットペーパーの芯が通らない大きさを選ぶ

  • 食事中や遊び中は、そばで見守る

子どもたちの健やかな成長と、安心できる家庭づくりを応援しています。気になることがあれば、いつでもご相談ください。

<参考>
消費者庁HP「おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」
政府広報オンライン「赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?」

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

詳しい医師紹介を見る  クリニックの予約を取る

お知らせ

 
 

ブログカテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ