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抗ヒスタミン薬や点鼻薬などの既存治療をしても鼻水や鼻詰まりが強く、1日中ティッシュが手放せないような重症な花粉症の方に対する最新の治療のお知らせです。
スギ花粉症の治療の基本は下記になります。
①マスク、ゴーグルの装着により花粉に暴露することをなるべく避ける
②症状を緩和するための内服(抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬)、ステロイド点鼻
※最近は舌下免疫療法が5歳以上の方に行うことができるようになりました。
当院Blog 花粉症に対する舌下免疫療法:https://morino-kodomo.com/blog/zekka/
これらの治療を行っても症状がおさまらない重症のスギ花粉症の方に対して、新たな選択肢として「抗IgE抗体ゾレア®による治療」が認可されており、当院で行うことができます。
対象年齢
12歳以上の方
対象となる患者さんの条件
1. 重症または最重症の花粉症で、前スギ花粉シーズンでも重症な症状があったこと
2. スギ花粉の血液検査がクラス3以上であること
3. 花粉症の治療を1週間以上行い、効果が不充分であったこと
4. 血清総IgE濃度が30~1500IU/ml、体重20~150kgの範囲にあること
※薬価が非常に高額であるため、上記の条件を満たす方のみの適応となります。
※体重・血清総IgE値が上記の基準値以内でも、その組み合わせによってはゾレア®が接種できない場合もあります。
投与方法
2週または4週ごとに皮下注射
おおよその治療費
保険適応の治療方法です。
ゾレア®薬剤費のみで1ヵ月あたり3割負担で約4500円〜7万円です(検査結果や体重から割り出されるゾレア®使用量によって異なります)。これに加えて、受診・検査にかかる診察料等、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬等の処方費がかかります。
スケジュール
【初診】
■問診をして、重症または最重症のスギ花粉症であるかどうか診断します。
■舌下免疫療法の説明を行います。
■採血を行い、スギIgE値・総IgE値を測定します。
■体重測定
■通常の治療(抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻等)を行います。
【2回目受診】
■通常の治療の効果判定を行います。
■採血結果を確認し適応があるかどうかを決定します。
■投与量・投与間隔を決定します。
■ゾレア®投与が決定した場合、詳しい薬剤説明を行います。
【3回目受診】
■ゾレア®投与を開始します。
抗IgE治療薬ゾレアは対象患者さんが限定されていて高額な治療法ですが、重症のスギ花粉症に苦しむ方にとっては選択肢が増えたといえます。
ご希望がありましたらご相談ください。
川崎市中原区
アクセス:武蔵小杉、新丸子、元住吉、武蔵中原
武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
院長 大熊 喜彰
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)