赤ちゃんのおへそがぽっこり?臍ヘルニアの原因・症状・治療のポイント - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

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赤ちゃんのおへそがぽっこり?臍ヘルニアの原因・症状・治療のポイント

はじめに
赤ちゃんのおへそがぽっこりと盛り上がっているのを見たら「これは普通なの?」と心配になりますね。この状態は「臍(さい)ヘルニア」と呼ばれるもので、多くの赤ちゃんに見られる現象です。この記事では、臍ヘルニアの原因、症状、自然治癒の可能性、そして治療が必要な場合について詳しく解説します。


1. 臍ヘルニアとは?

臍ヘルニアとは、赤ちゃんのおへそが前に盛り上がっている状態を指します。おへその部分から腸が押し出されて、皮膚の下でぽっこりとした膨らみができます。通常、生後1〜2か月頃に発見されることが多く、赤ちゃんの泣き声やいきむ動作によって、膨らみがさらに目立つことがあります。


2. 臍ヘルニアの原因

臍ヘルニアは、胎児期に臍帯(へその緒)が通っていた部分の筋肉が十分に閉じないことで起こります。生まれて間もない赤ちゃんは、まだ腹筋が弱く、おへそ部分の筋肉が完全に閉じるまでに時間がかかるため、腸が押し出されやすくなります。

主な原因

  • 生まれつきの筋肉の未発達
  • 早産や低出生体重児で発症するリスクが高い
  • 遺伝的要素も関与している可能性あり

3. 臍ヘルニアの症状と見分け方

臍ヘルニアの主な症状は、おへその膨らみです。この膨らみは柔らかく、押すとへこみ、手を離すとまた膨らむことがあります。

見分け方

  • 赤ちゃんが泣いたり、いきむときにおへそが大きく膨らむ
  • 押すと簡単にへこむが、痛がる様子はない
  • 腫れた部分が赤くなる、腫れが固くなった場合は注意が必要

4. 臍ヘルニアは自然に治る?治療は必要?

多くの場合、臍ヘルニアは自然に治ります。約90%のケースで、1〜2歳までに自然に筋肉が閉じて治癒しますが、伸びきってしまった皮膚が余ってしまうことがあります。当院では、臍ヘルニアの治癒を促し、臍の皮膚が伸びきってしまわないようにスポンジ圧迫療法を積極的に行っていますので、生後1-2か月でご相談ください

下記のような状況は小児外科受診が必要なケースです。紹介状を作成いたします。:

  • 2歳を過ぎても治らない場合
  • 腫れが硬く、押しても戻らない場合(嵌頓〈かんとん〉ヘルニアの疑い)
  • 腫れ部分が赤くなる、痛がる、嘔吐などの症状がある場合(緊急の診察が必要)

5. 親ができるサポートと注意点

  1. 泣くことを無理に止めない
    • 泣いたりいきむことでおへそが膨らむのは自然なことなので、無理に止める必要はありません。
  2. スポンジ圧迫療法を行う場合や、異変を感じた場合などは小児科へ相談

まとめ

臍ヘルニアは、赤ちゃんの成長過程で見られる一般的な現象であり、ほとんどの場合、自然に治ります。皮膚が伸びきらないようにスポンジ圧迫療法を行う事も出来ますので、乳児期早期(生後1-2か月)でご相談ください。


このブログが、臍ヘルニアについての理解を深め、安心につながる情報になれば幸いです。

 

川崎市中原区
アクセス:武蔵小杉、新丸子、元住吉、武蔵中原
武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
院長 大熊 喜彰

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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