ブログ
Blog
Blog
当院では、RSウイルス感染の重症化を予防するシナジス接種を行っています。
2024年度のシナジス外来は、ここ数年の流行時期を鑑みて川崎市においては2024年4月1日から開始されます。
早産児や生まれつき心臓に疾患がある乳児、ダウン症児のために、通常は大学病院や総合病院で行われる治療です。そのため近くのクリニックではシナジス注射を受けられず、注射だけのために毎月、遠く離れた総合病院まで足を延ばさないといけない赤ちゃんがほとんど、というのが現状です。
これを解消するため、当院ではシナジス外来を開設しています。初回の投与は大学病院で、2回目以降から当院というご希望もお受けいたします。
4月1日から予防接種専門時間帯(13:30-16:15)で接種して頂けます。
予約は電話(044-739-0888)でお受けしていますので、ぜひご活用ください。
RSウイルスとは
乳幼児に呼吸器感染症を引き起こす重要な原因ウイルスです。大人が感染した場合は軽いかぜ症状のみでおさまりますが、予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている赤ちゃん、ダウン症児などが感染すると重症化することがあります。1年を通じて感染がみられますが、特に春から秋頃に流行します。今のところ、RSウイルス感染症に有効な治療薬はありません。
シナジス注射とは
RS ウイルス感染症が重症化し、肺炎や無呼吸発作のため入院治療が必要となることがあります。このRS ウイルス感染症の重症化を防ぐ目的で開発されたのがパリミズマブ(シナジス®)です。
シナジスは通常の予防接種で行うワクチンではなく、RS ウイルスに効果がある抗体成分を精製したもので効果は約1 か月です。流行期の間、毎月投与する必要があります。予防接種との間隔を考慮する必要はなく、同時接種も可能のため予防接種スケジュールを変更する必要はありません。
シナジス注射の適応
以下の方は重症化のリスクが高く保険適応でシナジスを接種できます。
初回投与時点(接種日の時点)で下記の基準を満たしていれば1シーズンの接種を保険適応で行います。
①早産児
・在胎期間28 週以下(28週6日まで)で出生してた方で接種日時点で12 か月齢以下(13カ月齢未満)
・在胎期間29 週~35 週(35週6日まで)で出生した方で接種日時点で6か月齢以下(7カ月齢未満)
②24か月齢以下であり血行動態に異常のある先天性心疾患の児
③免疫不全があり、接種日時点で24か月齢以下の児
④ダウン症候群があり、接種日時点で24か月齢以下の児
川崎市中原区
アクセス:武蔵小杉、新丸子、元住吉、武蔵中原
武蔵小杉 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科
院長 大熊 喜彰
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)