ブログ
Blog
Blog
近年、卵黄による「新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症」が増えているのをご存じでしょうか。
鶏卵によるアレルギーというと、摂取して5~15分後程度で口の周りが赤くなったり身体にじんましんが出現し、時にはアナフィラキシーやアナフィラキシーショックのような重篤な状態に陥ることがある食物アレルギーを想像するかと思います。
一方で、「新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症」の典型例では、原因食物摂取後1~4時間で複数回の嘔吐を認めます。下痢や血便、体重低下を伴うこともありますが、皮膚の赤みやじんましんを認めることは稀です。原因食物としては大豆・小麦・ミルク・鶏卵などが報告されていますが、近年卵黄が増えています。新生児・乳児消化管アレルギーといわれることもあります。
治療法も異なってきます。「食物アレルギー」では症状が出現しない量を食べていくという食事療法が主流になってきています。「新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症」では原因食物の除去が治療になります。適切に除去されれば症状は消失し、3歳までに95%程度の方が原因食物を食べても症状が出現しなくなります。
「赤ちゃんが卵黄を食べて2時間くらいすると吐くことが何回かあったんです!」というようなことがありましたらご相談ください。
川崎市中原区
アクセス:武蔵小杉、新丸子、元住吉、武蔵中原
武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
院長 大熊 喜彰
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)