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夏休みになり、お子さんの就学準備に大忙しの親御さんも多いのではないでしょうか?ランドセルの準備や文房具選びなど、わくわくすることがたくさんありますよね。でも、その準備のなかに、お子さんの健康を守るためのとても大切な「予防接種のチェック」も入れていただきたいと思います。
それは、就学前にお子さんの予防接種状況を確認し、必要な追加接種を済ませておくことです。特に、MRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)やおたふくかぜワクチンについてはよくご存じかもしれませんが、実はそれ以外にも、就学前に接種しておきたい大切なワクチンがあるんです。
小学校に入学すると、お子さんの生活環境は大きく変わります。集団生活の中で多くのお子さんと密接に触れ合う機会が増えるため、感染症が広がりやすくなります。これまでご家庭で大切に守られてきたお子さんが、さまざまな感染症に触れるリスクが高まるということです。
予防接種をしっかり済ませておくことで、お子さん自身が感染症にかかるリスクを減らすだけでなく、もし感染してしまったとしても重症化を防ぐことができます。さらに、クラスのお友達や先生、そしてご家族への感染を広げないためにも、予防接種は非常に重要な役割を果たすのです。
就学前に接種を推奨されているワクチンとして、MRワクチン(2期)とおたふくかぜワクチンはよく知られていますね。これらは、麻しん(はしか)や風しん、おたふくかぜといった感染力の強い病気からお子さんを守るために非常に重要です。
しかし、当院では、これらに加えて「3種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日せき・破傷風)」(自費)と「不活化ポリオワクチン」(自費)の追加接種も強くお勧めしています。
「あれ?これらのワクチンは赤ちゃんのうちに打ったはずでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。その通りです。これらのワクチンは乳幼児期に接種が始まりますが、年齢が上がるにつれて免疫が徐々に低下してしまうことがあります。
これらの病気は、以前は日本でも患者さんがたくさんいましたが、ワクチンのおかげで激減しました。しかし、昨今の百日咳の大流行を見てわかるようにゼロになったわけではありません。免疫が低下した状態で集団生活に入ると、万が一の感染リスクが高まります。百日せきは、大人になってから感染すると、症状は軽いことがあっても、乳児への感染源となる可能性があるため、小学校入学前に再度免疫を強化しておくことは、お子さんだけでなく、周囲の人々を守るためにも大切なのです。
日本は現在、ポリオの発生がない「ポリオフリー」の状態を維持していますが、世界にはまだポリオが発生している国があります。海外との交流が盛んになった現代において、いつ日本に持ち込まれてもおかしくないという認識を持つことが大切です。ポリオワクチンを接種しておくことで、お子さんをポリオから確実に守ることができます。
「うちの子、どのワクチンを打ったかよく覚えてないわ…」という方もご安心ください。
お子さんが小学校に入学し、元気に学校生活を送るためには、病気から体を守ることが何よりも大切です。予防接種は、お子さんの未来への投資です。就学前のこの大切な時期に、ぜひ予防接種の最終チェックを行い、お子さんを病気から守ってあげてください。
何かご不明な点がありましたら、いつでもお気軽に「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」にご相談くださいね。私たちは、「家族とともに未来を担うこども達の健やかな成長と幸せを目指します」という理念のもと、エビデンスに基づいた分かりやすい説明と、お子さんや親御さんに寄り添った優しい診療を心がけています。
<参考>
・日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」~ 小学校入学前に接種すべきワクチン~
・当院Blog「小学校入学前(年長さん)で接種してほしい3種混合ワクチン・不活化ポリオワクチン!!!」
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)