小児科医が教える、お子さんの便秘。もう悩まない! - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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小児科医が教える、お子さんの便秘。もう悩まない!

お子さんが毎日うんちを出しているか、心配になったことはありませんか?「あれ、最近うんち出てないな」「出す時にいつも痛そうにしている…」そんな時、「もしかして便秘?」と不安になりますよね。当院には、実はお子さんの便秘で受診される方がとても多いんです。

お子さんの便秘は、大人と同じように「たかが便秘」と軽視されがちですが、実はその子の健やかな成長に大きく影響することがあります。便秘が続くと、食欲不振や腹痛、さらには吐き気につながることもありますし、何よりお子さん自身がうんちをすることに抵抗を感じてしまうことがあります。

 

どんな状態だと「便秘」なの?

「うちの子、毎日うんちが出てないけど便秘なのかな?」と思われる方もいるかもしれません。実は、うんちの頻度・回数だけでなく、その状態も重要なんです。

一般的に、お子さんの便秘は、次のようなサインが見られたら注意が必要です。

  • 排便が週に2回以下:これが一番わかりやすい基準かもしれません。
  • 便が硬く、コロコロしている:うさぎのうんちのような、硬い便が出る場合です。
  • 排便時に痛がったり、出血したりする:うんちが硬くて出口で切れてしまうことがあります。
  • お腹が張っている:お腹を触ると張っているように感じることもあります。
  • 食欲がない、機嫌が悪い:便秘が原因で体調が悪くなっているサインかもしれません。

お子さんによっては、毎日うんちが出ていても、硬くて出すのに時間がかかっていたり、痛がっていたりするなら、便秘の治療が必要な場合もあります

 

どうしてうちの子は便秘になっちゃうの?原因は様々です

お子さんの便秘には、本当にたくさんの原因が考えられます。代表的なものをいくつかご紹介しますね。

1. 食事の偏り

これが一番多い原因かもしれません。

  • 食物繊維の不足:野菜や果物をあまり食べない、白いご飯ばかり食べている、などの食生活は要注意です。食物繊維はうんちの「カサ」を増やし、柔らかくする大切な役割があります。
  • 水分不足:特に夏場や運動量が多いお子さんは、意識的に水分を摂らせてあげることが大切です。水分が不足すると、うんちが硬くなってしまいます。
  • 脂質の不足:意外と見落とされがちですが、適度な脂質は便を滑らかにしてくれます。

 

2. 排便習慣の乱れ

「うんちを我慢しちゃう」お子さんはとても多いです。

  • 遊びに夢中:トイレに行くタイミングを逃してしまうことがあります。
  • トイレが嫌い:トイレの環境が苦手だったり怖かったり、学校や保育園のトイレが落ち着かない、といったこともあります。
  • うんちが硬くて痛かった経験がある:一度痛い経験をしてしまうと、「また痛い思いをするかも」と、うんちを我慢してしまう悪循環に陥ることがあります。

 

3. ストレス

お子さんでも、心にストレスを感じると便秘になることがあります。

  • 環境の変化:引っ越し、入園・入学、きょうだいの誕生など、お子さんにとって大きな変化はストレスになることがあります。
  • 精神的な緊張:感受性の高いお子さんや、几帳面なお子さんでは、些細なことでもストレスを感じやすいことがあります。

 

4. 病気が隠れている場合も

稀ではありますが、特定の病気が便秘の原因になっていることもあります。

  • 甲状腺機能低下症:ホルモンの病気です。
  • 先天性巨大結腸症:生まれつき大腸の一部の神経に異常がある病気です。

これらの病気が原因の場合は、専門的な治療が必要になります。

 

これで解決!今日からできる便秘対策

では、実際にお家でできる便秘対策にはどんなものがあるでしょうか?

 

1. 食事を見直そう!

  • 食物繊維たっぷり!:野菜、果物、きのこ、海藻類、豆類、イモ類などを積極的に摂りましょう。
    • 具体例:「バナナヨーグルト」「りんごのすりおろし」「さつまいもの煮物」「切り干し大根の煮物」など、お子さんが食べやすい工夫を凝らしてみてください。ご飯を白米に雑穀を混ぜるのも良いでしょう。
  • 水分をしっかり!:お茶や水、麦茶などをこまめに摂らせてあげましょう。特に、朝起きた時にコップ1杯の水を飲む習慣をつけるのはおすすめです。
  • 適度な脂質も大切:オリーブオイルを料理に少し加えたり、ナッツ類(アレルギーが無い場合です。年齢に応じて砕いて与えるなど注意してください)を少量おやつにするのも良いでしょう。

 

2. 規則正しい排便習慣をつけよう!

  • 毎日決まった時間にトイレに座る習慣:特に朝食後がおすすめです。胃に食べ物が入ると、大腸が動き出す「胃・結腸反射」が起こりやすくなります。
  • 焦らせない、プレッシャーをかけない:トイレに座る時間を5分程度と決め、無理強いはせず、できたら褒めてあげることが大切です。
  • トイレ環境を快適に:足がブラブラしないように足台を用意したり、好きなキャラクターの便座カバーにするなど、お子さんが安心できる空間を作ってあげましょう。

 

3. 適度な運動も大切!

体を動かすことで、腸の動きも活発になります。公園で遊んだり、散歩したり、室内でも体を動かす遊びを取り入れましょう。

 

4. マッサージも試してみよう!

赤ちゃんであれば、おへその周りを「の」の字を書くように優しくマッサージしてあげるのも効果的です。お風呂上がりなど、体が温まっている時がおすすめです。

 

こんな時は小児科を受診しましょう

「お家で色々試したけどなかなか改善しない…」 「便秘がひどくて、お腹が痛くてぐったりしている…」

こんな時は、迷わず小児科を受診してください。

特に、以下のような症状が見られる場合は、早めに受診が必要です。

  • 便秘が長く続いている(1週間以上など)
  • 腹痛がひどい、または繰り返す
  • 嘔吐がある
  • 血便がある
  • 食欲がない、体重が増えない
  • 機嫌が悪い、元気がない

当院では、お子さんの状態を診察し、適切なアドバイスや治療を行います。場合によっては、うんちを柔らかくするお薬や、排便を促すお薬を処方します。これらのお薬は、お子さんの状態に合わせて調整するため、自己判断で使用せず、必ず医師の指示に従ってください。


お子さんの便秘は、親御さんにとっても大きな悩みですよね。でも、決して一人で抱え込まないでください。当クリニックでは、お子さんの便秘について、エビデンスとガイドラインに基づきながらも、お子さん一人ひとりの状況に合わせた丁寧な説明を心がけています。

お子さんが笑顔で、毎日気持ちよく過ごせるように、私たちと一緒に便秘を解消していきましょう。もしご心配なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

<参考>
小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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