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今年もインフルエンザの流行が徐々にみられるようになってきました。
インフルエンザウイルス感染に関してまとめてみたいと思います。
<症状>
典型的なインフルエンザウイルス感染では、38℃以上の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛などが急速に現れ、咳や鼻水などの呼吸器症状や腹痛などの消化器症状も認められます。
小児においては、肺炎と中耳炎の合併が多いとされています。
細菌の合併感染を認めることもあります。
重症な病態として、脳症、心筋炎があります。
<感染経路>
咳やくしゃみによる飛沫感染と、それらの汚染物質を介した接触感染があります。
潜伏期間は1~4日です。
日本では、例年12月から3月が流行シーズンといわれますが、9月ごろから患者発生は見られます。
<診断>
臨床症状(発熱、咳、鼻汁、全身倦怠感など)と流行状況から診断することができます。迅速診断キットがよく使用されますが診断に必須ではありません。
迅速診断キットは、発症当日の感度が低いことが知られているため、多くの場合、38℃以上の発熱を認めてから8時間以上経過したのちに迅速診断キットは使用されます。
当院では感度の高い迅速診断キットを導入し、早期診断と鼻水のみ(鼻に綿棒を入れない)で検査が可能です。
※すべてのケースで適応とは限りませんが、ご相談ください。
<治療>
抗インフルエンザ薬を使用します。
*迅速診断キットが陰性でも、流行状況や症状からインフルエンザウイルス感染が強く疑われる場合は抗インフルエンザ薬で治療することは問題ないといわれています。
*タミフルと異常行動の関連性に関してはいまだに不明ですが、10歳以上の未成年に対してはタミフル処方を差し控える方針となっています。
<予防接種>
接種後2週後から5か月程度まで予防効果が期待でき、毎シーズンの接種は有用と考えられています。
ただ、発病を防ぐ効果は50~80%です。
川崎市中原区
武蔵小杉 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科
院長 大熊 喜彰
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)