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お子さんの鼻水や目の充血・腫れ、もしかして犬・猫アレルギー?今日からできる対策と上手な付き合い方

「うちの子、実家に行くとよく目をこすっているな…」
「わんちゃんや猫ちゃんがいるお友達の家に行くと、急に鼻水が出始める気がする…」

今回は多くのご家庭で悩みの一つとなりうる「犬・猫アレルギー」について、エビデンスを大切にしながら、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。

 

犬・猫アレルギーって、そもそも何が原因なの?

 

まず、アレルギーの基本からお話ししましょう。アレルギーとは、私たちの体を守る「免疫」というシステムが、本来は無害なはずの特定の物質(アレルゲン)に対して、過剰に反応してしまう状態のことを指します。

犬・猫アレルギーの場合、多くの方が「動物の毛」が原因だと思いがちですが、実はそれだけではありません。本当の主な原因(アレルゲン)は、動物のフケ(皮膚から剥がれ落ちた角質)、唾液などに含まれるタンパク質です。

これらのアレルゲンは非常に小さく、軽いため、空気中に長い時間フワフワと漂っています。そして、動物の毛に付着して、部屋のあちこちに運ばれていくのです。ですから、毛の短い種類の犬や猫なら大丈夫、というわけでは必ずしもないのです。この小さなアレルゲンが、お子さんの目や鼻、気管支の粘膜に付着したり、皮膚に触れたりすることで、様々なアレルギー症状を引き起こします。

 

もしかして…?お子さんに見られる犬・猫アレルギーのサイン

 

お子さんに見られる犬・猫アレルギーの症状は、実にさまざまです。一つだけでなく、複数の症状が組み合わさって現れることも少なくありません。

  • 目の症状
    • 目のかゆみ(しきりに目をこする)
    • 目の充血(白目が赤くなる)
    • 涙目、目やにが増える
  • 鼻の症状
    • 立て続けに出るくしゃみ
    • 水のようにサラサラした鼻水
    • 鼻づまり(口で呼吸することが増える、いびきをかく)
  • のど・気管支の症状
    • しつこい咳、からんだ咳
    • のどのイガイガ感
    • 息をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする(喘鳴)
    • 息苦しさを訴える(気管支ぜんそくの発作)
  • 皮膚の症状
    • じんましん(蚊に刺されたように赤く盛り上がる)
    • 皮膚のかゆみ、赤み
    • もともとあるアトピー性皮膚炎が悪化する

これらの症状は、犬や猫と接触してすぐに現れることもあれば、数時間経ってから出てくることもあります。特に、風邪の症状と非常によく似ているため、「また風邪をひいたのかな?」と見過ごされてしまうケースも少なくありません。「特定の場所(ペットのいる家など)に行くと症状が出る」といった場合は、動物アレルギーの可能性を考えてみてもよいでしょう。

 

アレルギーが疑われたら?クリニックでの診断

 

「うちの子、アレルギーかもしれない」と感じたら、ご相談ください。当院では、丁寧な問診と検査を通じて、原因を探っていきます。

  1. 詳しい問診
    「いつから、どんな症状がありますか?」「どんな時に症状がひどくなりますか?」「ご家族にアレルギーの方はいらっしゃいますか?」など、詳しくお話を伺います。この問診が、診断の最も重要な手がかりになります。
  2. 血液検査(特異的IgE抗体検査)
    採血をして、犬や猫のフケなど、特定のアレルゲンに対する「IgE抗体」という物質が体内にどれくらい存在するかを調べます。この数値が高いと、そのアレルゲンに反応しやすい体質(感作されている状態)である可能性が示唆されます。

ただし、とても大切なことですが、検査で陽性だったからといって、必ずしもそれが症状の直接の原因とは限りません。 お子さんの症状と検査結果を総合的に判断します。

 

治療の2つの柱
アレルギーとの上手な付き合い方

 

アレルギーと診断された場合、治療の目標は「お子さんが症状に悩まされず、毎日を快適に過ごせること」です。そのために、私たちは主に3つのアプローチを組み合わせて治療を進めます。

  1. アレルゲンの回避と除去(環境整備)
  2. 薬物療法(症状を和らげる治療)

この中で、ご家庭での重要な取り組みが「1. アレルゲンの回避と除去(環境整備)」です。

 

最も大切!今日から始められる「環境整備」徹底ガイド

 

薬で症状を抑えることももちろん大切ですが、アレルギー治療の基本中の基本は、原因となるアレルゲンをできるだけ生活環境から減らすことです。これを「環境整備」と呼びます。環境整備を徹底することで、症状が劇的に改善したり、お薬の量を減らせたりすることが期待できます。

すでにペットと暮らしているご家庭でも、諦めずにできることはたくさんあります。

【ペット自身へのケア】

  • 定期的なシャンプー
     ペットを定期的に洗ってあげることで、体についたフケや唾液などのアレルゲンを洗い流すことができます。ただし、洗いすぎはペットの皮膚を傷める可能性もあるため、獣医師の先生と相談しながら、適切な頻度とシャンプーを選びましょう。
  • ブラッシングは屋外で
     毛のお手入れ(ブラッシング)は、アレルゲンが舞い散りやすいので、必ず屋外やベランダで行うようにしましょう。

【住環境の工夫】

  • 掃除の徹底こそ王道:
    • 掃除機がけ
      できれば1日1回、少なくとも2日に1回はかけましょう。ゆっくりと、丁寧にかけるのがコツです。
    • 拭き掃除の重要性
       掃除機だけでは舞い上がってしまうアレルゲンも、濡れた雑巾やフローリング用ウェットシートでの拭き掃除なら、しっかりと取り除けます。床だけでなく、壁や家具の上なども定期的に拭きましょう。
  • 布製品はアレルゲンの温床:
    • カーペット、ラグ、布製のソファ、クッションはアレルゲンが溜まりやすいため、可能であれば撤去し、フローリングや革製・合皮製のソファに切り替えるのが理想です。
    • カーテンは、ホコリがつきにくい素材のものを選び、こまめに洗濯しましょう。ブラインドやロールスクリーンも選択肢の一つです。
  • 寝室は「聖域(サンクチュアリ)」に
    • お子さんが一日のうちで最も長く過ごす寝室は、アレルゲンを持ち込まない「安全地帯」にすることが極めて重要です。絶対にペットを寝室に入れないように徹底してください。
    • 布団や枕も定期的に洗濯しましょう。シーツ類もこまめに洗濯しましょう。
  • 空気のコントロール:
    • 空気清浄機の活用:
      リビングや寝室など、お子さんが長く過ごす部屋に設置すると、空気中に漂うアレルゲンを減らす助けになります。フィルターの清掃や交換も忘れずに行いましょう。
    • こまめな換気
       天気の良い日には窓を開け、室内の空気を入れ換えましょう。空気の流れを作ることで、アレルゲンを屋外に排出することができます。

これらの対策は、一つひとつは地道な作業ですが、組み合わせることで大きな効果を発揮します。家族みんなで協力して取り組むことが大切です。

 

これからペットを飼いたいと考えているご家族へ

 

「こどもに動物と触れ合う経験をさせてあげたい」そのお気持ちは、とても素晴らしいものです。しかし、アレルギーの可能性がある場合、少しだけ慎重になる必要があります。

  • 事前のアレルギー検査
    まずはクリニックでアレルギー検査を受け、お子さんやご家族が犬・猫アレルギーの素因を持っていないかを確認することをお勧めします。
  • 実際に触れ合ってみる
     検査だけでなく、実際に犬や猫がいるお友達の家やペットカフェ、ふれあいイベントなどに何度か足を運び、お子さんにアレルギー症状が出ないかをしっかり観察することも重要です。
  • 家族で話し合う
    もしアレルギーが見つかった場合でも、前述の環境整備を家族全員で徹底できるか、話し合うことが不可欠です。

動物を家族に迎えるということは、その命に最後まで責任を持つということです。後で「アレルギーだから」と手放すような悲しい事態を避けるためにも、事前の準備と確認を大切にしてください。

 

さいごに

 

犬・猫アレルギーは、時にお子さんの生活の質(QOL)を大きく下げてしまうことがあります。しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、症状をコントロールし、健やかな毎日を送ることは十分に可能です。

環境整備の方法、お薬の使い方、これからの生活のこと、どんな些細なことでも構いません。どうぞ、お気軽に私たちにご相談ください。

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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