え、うちの子「脱腸」!? 小児鼠径ヘルニア、これってどんな病気?親ができること - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

ご予約・お問い合わせ
tel.044-739-0888
  • WEB予約
  • ご意見箱
所在地
神奈川県川崎市中原区
小杉町2-228-1-1F
パークシティー武蔵小杉
ザガーデンタワーズウエスト

ご意見箱

MENU

え、うちの子「脱腸」!? 小児鼠径ヘルニア、これってどんな病気?親ができること - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

tel.044-739-0888

ブログ

Blog

え、うちの子「脱腸」!? 小児鼠径ヘルニア、これってどんな病気?親ができること

今日は、そんな親御さんたちが「あれ?これ、もしかして…?」と心配になるかもしれない、「小児の鼠径ヘルニア」、いわゆる「脱腸」について、分かりやすくお話ししたいと思います。

 

「脱腸」って、どんな状態のこと?

「鼠径ヘルニア」と聞くと、なんだか難しそうな病名に聞こえるかもしれませんね。でも、簡単に言うと、「お腹の中の臓器が、本来あるべき場所から飛び出して、体の表面にポコッと膨らんでくる状態」のことなんです。
特にお子さんの場合、この膨らみが足の付け根(鼠径部)に現れることが多いため、「鼠径ヘルニア」と呼ばれています。男の子では陰嚢まで、女の子では外陰部まで膨らみが及ぶこともあります。

【具体例】

  • 「お風呂に入っている時に、足の付け根が少し膨らんでいる気がする…」
  • 「子どもが泣いたり、咳き込んだりすると、急にプクッと盛り上がってくる…」
  • 「寝ている時や、リラックスしている時には引っ込んでいるけど、起き上がるとまた出てくる…」

もし、このような様子に気づいたら、それが「小児の鼠径ヘルニア」かもしれません。

 

どうして、うちの子に「脱腸」が起こるの?

大人にも鼠径ヘルニアはありますが、お子さんの鼠径ヘルニアは、大人とは少し原因が違います。

赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時、男の子の精巣(睾丸)や女の子の子宮を支える靭帯が、お腹の中から鼠径部を通って降りてくる時に、「腹膜鞘状突起(ふくまくしょうじょうとっき)」というトンネルのような通路ができます。

普通は、このトンネルは生まれる前に自然と閉じるのですが、閉じずに残ってしまう子がいるんです。すると、その開いたトンネルから、お腹の中の臓器(腸の一部や、女の子だと卵巣など)が飛び出してきてしまうんですね。これが、お子さんの鼠径ヘルニアの主な原因です。

男の子に多い病気ですが、女の子にも起こります。また、早産で生まれた赤ちゃんや、ご家族にヘルニアの方がいる場合に、ややなりやすい傾向があると言われています。

 

痛いの?大丈夫なの?親御さんの心配、お察しします

「うちの子、痛いのかな?」「このままで大丈夫なのかな?」

お子さんのこととなると、心配は尽きないですよね。

鼠径ヘルニアの多くは、通常は痛みを伴いません。膨らみが出てきても、お子さん自身はケロッとしていることが多いです。

しかし、注意が必要なのは、「嵌頓(かんとん)」という状態です。これは、飛び出した臓器がトンネルに挟まってしまい、元に戻らなくなってしまう状態のことです。

【嵌頓するとどうなるの?】

  • 突然、強い痛みで泣き出す。
  • 膨らみが硬くなり、押しても引っ込まない。
  • 膨らんだ部分の色が悪くなる(赤紫色になるなど)。
  • 嘔吐したり、お腹が張ったりする。
  • 機嫌が悪く、ぐったりする。

このような状態になった場合は、緊急性が高いです。すぐに医療機関を受診してください。嵌頓が長く続くと、挟まった臓器の血流が悪くなり、壊死してしまう危険性があるため、早期の処置が必要です。

 

治療はやっぱり手術?

はい、小児の鼠径ヘルニアの治療は、基本的に手術になります。自然に治ることは期待できないため、膨らみに気づいたら、一度小児科を受診して診断を確定することが大切です。

手術と聞くと、小さなお子さんのことですから、不安に思われる親御さんも多いと思います。しかし、鼠径ヘルニアの手術は、小児外科では非常に一般的な手術の一つです。当クリニックでも、信頼できる連携病院の小児外科専門医をご紹介し、安心して手術を受けていただけるようサポートいたします。

手術は、通常、全身麻酔で行われますが、日帰り手術や短期入院で可能な場合も多く、お子さんの負担も最小限に抑えられます。

 

もしかして、と思ったら、まずはご相談ください

「足の付け根の膨らみ、もしかして?」

そう感じたら、まずは一人で悩まずに、お気軽に当クリニックにご相談ください。

「あれ、最近ちょっと気になるな」「こんな時はどうしたらいいんだろう?」

お子さんの症状は、些細な変化でも親御さんにとっては大きな心配の種になりがちです。私たちは、そんな親御さんの不安に寄り添い、丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけています。エビデンスに基づいた適切な情報提供を行いながら、お子さん一人ひとりに合わせた最善の治療方針を一緒に考えていきます。

早期に発見し、適切な対応をすることで、お子さんの健やかな成長を守ることができます。

お子さんのことなら、どんなことでも、「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」にご相談ください。

<参考>
日本小児泌尿器化学会「小児の鼠経ヘルニア」

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

詳しい医師紹介を見る  クリニックの予約を取る

お知らせ

 
 

ブログカテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ