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え、うちの子、いつも口ポカン?鼻づまり?いびきも?もしかしてアデノイド肥大・扁桃肥大かも?!

「うちの子、なんだかいつもお口が半開きで、寝ているときも『ガーガー』いびきをかいているんです…」
「鼻声で、風邪はひいてなさそうなのに鼻が詰まっているみたい…」

もしお子さんにそんな様子が見られたら、もしかしたら「アデノイド肥大(アデノイド増殖症)」や「扁桃肥大」が関係しているかもしれません。今回は、この二つの症状について、日本小児科学会認定小児科専門医の視点から分かりやすくお話ししたいと思います。

 

アデノイドって何?扁桃って?どこにあるの?

まず、アデノイドと扁桃がどこにあるのか、イメージしてみましょう。

  • アデノイド(咽頭扁桃): 喉の奥、鼻の突き当たり、いわゆる「のどちんこ」の裏側、鼻と喉の境目あたりに位置しています。普段は見えない場所にあります。
  • 扁桃(口蓋扁桃): こちらは、お口を大きく開けて「あー」と言うと、喉の左右に見える、丸いリンパ組織のことです。俗に「扁桃腺」と呼ばれることもありますね。

どちらも、私たちの体にとって大切なリンパ組織の一つです。リンパ組織は、体の中に侵入しようとする細菌やウイルスから体を守る「免疫」の最前線で働く、いわば「体の関所」のような役割をしています。

 

なぜ大きくなっちゃうの?〜アデノイド・扁桃肥大の原因〜

アデノイドや扁桃は、2歳から6歳くらいの学童期に最も大きくなる傾向があります。これは、この時期に様々なウイルスや細菌に触れる機会が増え、体がそれらと戦うために免疫機能を活発にするためです。ちょうど、新しい環境での集団生活が始まる時期と重なりますね。

ほとんどの場合、アデノイドや扁桃は思春期を迎える頃には自然に小さくなっていきます。しかし、中には年齢とともに小さくならず、むしろ大きくなりすぎてしまうお子さんもいます。これが「アデノイド肥大」や「扁桃肥大」と呼ばれる状態です。

 

アデノイド肥大・扁桃肥大、こんな症状に注意!

アデノイドや扁桃が大きくなると、その場所から想像できるように、空気の通り道や耳、鼻に様々な影響が出てきます。具体的な症状をいくつか挙げてみましょう。

 

アデノイド肥大でよく見られる症状

  • いつも口ポカン: 鼻の奥がアデノイドで塞がれるため、鼻呼吸がしにくくなり、無意識に口を開けて呼吸するようになります。いわゆる「アデノイド顔貌(がんぼう)」と呼ばれる、ボーッとした表情に見えることもあります。
  • 鼻づまり・鼻声: 鼻の奥が狭くなるため、慢性的な鼻づまりや鼻声になります。「んー、なんかいつも鼻が詰まってるみたいな声だね」と指摘されることも。
  • いびき・睡眠時無呼吸: 寝ている間に空気の通り道が狭くなり、大きないびきをかくようになります。ひどい場合には、一時的に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸」を起こすこともあります。これはお子さんの成長にも大きく関わる問題です。「あれ、さっきまでいびきかいてたのに、急に静かになった…と思ったらまた大きな呼吸が始まった!」そんな様子が見られたら要注意です。
  • 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん): アデノイドが耳管(耳と鼻の奥をつなぐ管)の入り口を塞いでしまうことで、中耳に液体が溜まって聞こえが悪くなることがあります。テレビの音量を上げたり、何度も聞き返したりするようになったら注意が必要です。
  • 集中力の低下・イライラ: 睡眠の質が悪くなることで、日中の集中力が低下したり、ぐずりやすくなったり、イライラしやすくなることがあります。

 

扁桃肥大でよく見られる症状

  • 大きないびき・睡眠時無呼吸: アデノイド肥大と同様に、空気の通り道が狭くなるため、いびきや睡眠時無呼吸の原因になります。
  • 食べ物を飲み込みにくい: 扁桃が大きくなると、食べ物が喉を通りにくく感じることがあります。
  • 繰り返す扁桃炎: 扁桃が炎症を起こしやすく、高熱や喉の痛みといった扁桃炎を繰り返すことがあります。年に何回も高熱を出す、なんてお子さんは要注意です。

お子さんの様子で、これらの症状に心当たりがある場合は、一度相談してみましょう。

 

診断はどうするの?

まずは、お子さんの症状や既往歴について詳しくお話を伺います。その後、お口の中や喉を診察します。必要があれば、近隣耳鼻咽喉科をご紹介させていただき、鼻の奥を内視鏡(ファイバースコープ)で観察したり、アデノイドや扁桃の状態を確認します。レントゲン検査を行うこともあります。

 

治療法は?〜手術だけじゃない!〜

「アデノイド肥大」や「扁桃肥大」と聞くと、「すぐに手術が必要なのかな?」と不安に感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、必ずしもすぐに手術が必要なわけではありません。

アデノイド肥大や扁桃肥大の治療方針は、お子さんの年齢、症状の程度、生活への影響などを総合的に判断して決定します。

 

1. 経過観察

症状が軽度で、日常生活に大きな支障がない場合は、まず経過観察をしていきます。アデノイドや扁桃は成長とともに小さくなる可能性があるため、定期的に診察を行い、症状の変化を注意深く見ていきます。

 

2. 対症療法

鼻づまりや中耳炎などの症状がある場合は、それぞれの症状に対する治療を行います。例えば、鼻水を吸引したり、点鼻薬を使用したり、中耳炎の治療を行ったりします。

 

3. 手術療法

以下のような場合には、手術が検討されることがあります。

  • 睡眠時無呼吸が重度で、お子さんの成長や発達に影響が出ている場合
  • いびきがひどく、日常生活に支障をきたしている場合
  • 滲出性中耳炎を繰り返し、難聴が改善しない場合
  • 扁桃炎を頻繁に繰り返し、高熱や体調不良が続く場合
  • 歯並びや顎の成長に悪影響が出ている場合

手術は、アデノイドを摘出する「アデノイド切除術」や、扁桃を摘出する「口蓋扁桃摘出術」などがあります。

 

おわりに

アデノイド肥大や扁桃肥大は、見た目では分かりにくい症状ですが、お子さんの日々の生活や将来の健康に大きく関わることがあります。気になることがあれば、お気軽に「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」へご相談ください。お子さんとご家族に寄り添い、一緒に解決策を探していきます。


 

親御さんが気になる!Q&A

 

Q1: アデノイド肥大や扁桃肥大は自然に治りますか?

A1: はい、多くの場合、お子さんの成長とともにアデノイドや扁桃は自然に小さくなり、症状も改善していきます。特にアデノイドは、思春期頃にはほとんどが小さくなると言われています。そのため、症状が軽度であれば、まずは経過観察をしながら様子を見ていくことが多いです。ただし、症状が重い場合や、お子さんの生活に大きな影響が出ている場合は、積極的な治療が必要となることもあります。

 

Q2: 放置するとどうなりますか?

A2: 症状の程度にもよりますが、放置すると以下のような影響が出る可能性があります。

  • 睡眠の質の低下: 慢性的な睡眠不足により、日中の集中力低下、学業への影響、イライラしやすさ、成長ホルモンの分泌不足による発育への影響などが考えられます。
  • 発育・発達への影響: 睡眠時無呼吸が続くと、脳への酸素供給が不十分になり、脳の発育に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
  • 歯並びや顔の形成への影響: 口呼吸が長く続くと、歯並びが悪くなったり、顔の骨格の形成に影響が出たりすることがあります(アデノイド顔貌)。
  • 繰り返す感染症: 扁桃肥大で扁桃炎を繰り返すと、高熱や喉の痛みでつらい思いをしたり、学校を休んだりする頻度が増えます。
  • 難聴: 滲出性中耳炎による難聴が続くと、言葉の発達に影響が出たり、学習に支障をきたすことがあります。

気になる症状があれば、早めに専門医に相談することが大切です。

 

Q3: 手術は痛いですか?入院は必要ですか?

A3: 手術は全身麻酔で行われますので、お子さんが痛みを感じることはありません。手術後には、痛み止めの薬を使用するなど、痛みを和らげるためのケアがしっかりと行われます。入院期間については、手術の内容や施設によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度の入院が必要になることが多いです。

 

Q4: アデノイド肥大・扁桃肥大は、アレルギーと関係がありますか?

A4: 直接的な原因ではありませんが、アレルギー性鼻炎など、アレルギー疾患のあるお子さんは、鼻炎によって鼻の奥の粘膜が腫れたり、鼻水が増えたりすることで、アデノイド肥大の症状が悪化することがあります。また、気管支ぜんそくなど、アレルギー体質のお子さんは、免疫機能が活発であるため、アデノイドや扁桃が大きくなりやすい傾向があるとも言われています。

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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