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うちの子の足、O脚なの? 心配なO脚と成長の一環としてのO脚、見分け方と対処法!

今日は、お子さんの足の形について、多くの親御さんが一度は気にしたことがある「O脚」について、お話ししたいと思います。「うちの子、O脚なのかな?」「このままで大丈夫?」といった心配を抱えている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ご安心ください。ほとんどの場合、お子さんのO脚は成長の過程で自然に改善していくものです。でも、中には専門的な診察が必要なケースもあります。この記事では、心配なO脚とそうでないO脚の見分け方、そしてご家庭でできることについて、小児科医の視点から分かりやすくご説明していきます。

 

そもそもO脚って、どんな状態?

O脚とは、両足を揃えて立った時に、膝と膝の間に隙間ができて、足全体がアルファベットの「O」の字のように外側に弯曲している状態を指します。医学的には「内反膝(ないはんしつ)」とも呼ばれます。

「うちの子の足、なんか外に曲がってる?」と感じた時、まず思い出していただきたいのが、お子さんの成長段階です。実は、お子さんの足の形は、年齢とともに変化していくのがごく自然なことなのです。

 

赤ちゃんのO脚は当たり前?!成長段階とO脚の変化

人間の骨は、生まれたばかりの頃から成長するにつれて少しずつ形を変えていきます。特に足の骨は、立って歩くという大切な役割を担うため、その発達には段階があります。

  • 赤ちゃん〜1歳半くらいまで:
    この時期の赤ちゃんは、ほとんどの子が「O脚」です。これは生理的なO脚と呼ばれ、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいた時の姿勢や、骨の発達段階によるものです。ハイハイをしたり、つかまり立ちを始めたりする時期に見られることが多く、「うちの子、O脚かも!」と心配される親御さんもいらっしゃいますが、これは至って正常な状態です。例えるなら、生まれたばかりの赤ちゃんがまだ首がすわっていないのと同じように、足の骨もまだ未熟で、まっすぐではないのが当たり前、と考えていただくと分かりやすいかもしれません。
  • 1歳半〜2歳くらい:
    歩き始める時期ですね。この頃もまだO脚傾向が続くことが多いです。ヨチヨチ歩きの子どもの足元を見ると、膝が外を向いているように見えることがあります。これは、まだ歩行が不安定なため、バランスを取ろうとして足を開いて歩くことから、よりO脚に見えることもあります。
  • 2歳〜3歳くらい:
    この頃になると、少しずつO脚が改善し、まっすぐな足に近づいてきます。
  • 3歳〜5歳くらい(幼児期):
    多くのお子さんが、今度は「X脚(外反膝)」に変化していきます。膝が内側に入り、両足を揃えると膝はくっつくけれど、くるぶしの間に隙間ができる状態です。これも成長の過程でよく見られる生理的なものです。
  • 6歳〜7歳くらい(学童期):
    X脚も徐々に改善し、小学校に入学する頃には、ほとんどのお子さんの足の形が大人と同じようにまっすぐになっていきます。

このように、O脚は小さなお子さんに見られる正常な成長過程の一部であることがほとんどです。「生理的O脚」と呼ばれ、特に治療の必要はありません。

 

「あれ?もしかして心配なO脚?」見極めのポイント

どんなO脚の場合に、一度小児科や整形外科を受診した方が良いのでしょうか。いくつかのチェックポイントをお伝えします。

  1. 年齢に対してO脚が強いと感じる
    先ほどご説明した年齢ごとの変化と比べて、明らかにO脚が強いと感じる場合です。例えば、2歳を過ぎてもO脚が目立つ、あるいは悪化しているように見える場合などです。
  2. 左右の足の形が違う
    片方の足だけがO脚のように見える、左右で足の曲がり具合が明らかに違う、といった非対称性がある場合は、注意が必要です。
  3. 痛みや歩き方の異常がある
    O脚のせいで、お子さんが「膝が痛い」と訴える、あるいは引きずるような歩き方をする、転びやすい、など歩行に異常が見られる場合は、受診を検討しましょう。
  4. 身長の伸びが悪い
    O脚以外にも、お子さんの身長の伸びが気になる場合は、骨の発育に何か原因がある可能性も考えられます。
  5. くる病などの可能性
    ビタミンD欠乏症による「くる病」などが原因でO脚になることもあります。これは骨の形成に異常が生じる病気です。栄養状態や日光に当たる時間なども関係することがあります。

もしこれらのチェックポイントに当てはまる、あるいは「やっぱり心配で…」というお気持ちが強い場合は、遠慮なく小児科を受診してください。当院でも、お子さんの成長を総合的に診させていただきます。必要であれば、連携している高次医療機関の整形外科専門医にご紹介いたします。

 

ご家庭でできること、大切なこと

ほとんどの生理的O脚は自然に改善するため、特別な治療は必要ありません。しかし、お子さんの健やかな成長をサポートするために、ご家庭でできることもいくつかあります。

  • バランスの取れた食事
    特に骨の成長に大切なカルシウムやビタミンDを積極的に摂るように心がけましょう。牛乳、小魚、きのこ類、卵黄などがおすすめです。バランスの取れた食生活は、骨だけでなく、お子さん全体の成長に欠かせません。
  • 適度な運動と外遊び
    外で元気に遊ぶことは、骨に適切な刺激を与え、丈夫な骨を作るのに役立ちます。また、日光を浴びることで体内でビタミンDが生成されます。公園で走り回ったり、自転車に乗ったり、積極的に体を動かす機会を作ってあげましょう。
  • 無理な矯正は避ける
    「O脚を治さなきゃ」と焦って、無理なストレッチや矯正器具を使用することは、かえって骨の発育を妨げたり、お子さんに負担をかけたりする可能性があります。自己判断で矯正を行うのは避け、心配な場合は必ず専門医に相談してください。
  • 正しい姿勢を意識する
    座り方や立ち方など、普段の姿勢も大切です。例えば、いわゆる「アヒル座り(W座り)」は、股関節に負担をかける可能性があると言われています。もしお子さんが頻繁にそのような座り方をしているようであれば、時々声かけをしてあげるのも良いでしょう。

 

最後に:お子さんの成長を見守る大切な視点

お子さんの成長は本当にあっという間です。足の形一つとっても、日々変化し、成長している証拠です。O脚で悩んでいる親御さんにとって、この記事が少しでも安心材料になれば幸いです。

当院では、お子さん一人ひとりの成長を大切にし、それぞれのペースに合わせた診療を心がけています。もしO脚のことでご心配なこと、疑問に思うことがあれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。

私たちは、エビデンスに基づいた分かりやすい説明を大切にし、患者さんに応じた丁寧な診療を心がけています。お子さんの成長を家族とともに見守り、地域の皆様が安心して子育てできるお手伝いをしたいと思っています。

いつでもお待ちしております!

<参考>
神奈川県立こども医療センター整形外科HP「O脚・ブローント病」

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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