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いきなりビックリ!お子さんの鼻血!〜小児科医が教える鼻血のホント〜

お子さんの鼻血、突然出ると、「え、大丈夫かな?」「何か病気なの?」と不安になる親御さんも多いのではないでしょうか。
今回は、お子さんの鼻血について、日本小児科学会認定小児科専門医の視点から、その原因から対処法、そして病院を受診する目安まで、わかりやすくお話ししていきます。


Geminiで作画

 

なぜ鼻血が出るの?お子さんの鼻のしくみ

まず、お子さんの鼻血が出やすい理由からご説明しましょう。お子さんの鼻の入り口、特に「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる場所には、細くてたくさんの血管が集まっています。この血管はとてもデリケートで、少しの刺激でも切れやすいんです。

例えるなら、細い蜘蛛の糸がたくさん張り巡らされているようなイメージでしょうか。普段は目立たないけれど、ちょっとした衝撃でプツンと切れてしまう。お子さんの鼻の血管は、まさにそんな感じなのです。


 

お子さんの鼻血、実はこんな理由がほとんど!

では、具体的にどんな時に鼻血が出やすいのでしょうか?実は、日常によくあることが原因となっている場合がほとんどなんです。

 

1. 鼻いじり(鼻ほじり)

これが、お子さんの鼻血のダントツ一番の原因です!退屈な時、かゆい時、癖でついつい鼻をほじってしまうお子さんはたくさんいますよね。指で鼻の粘膜を傷つけてしまい、血管が切れて鼻血が出てしまうんです。

 

2. アレルギー性鼻炎などによる鼻のかゆみ・いじり

アレルギー性鼻炎や風邪で鼻水が続くと、鼻の粘膜が炎症を起こして敏感になります。かゆみが強くなると、無意識のうちに鼻をこすったり、いじったりすることが増え、これも鼻血の原因になります。

 

3. 乾燥

空気が乾燥する季節、特に冬場は、鼻の粘膜も乾燥しやすくなります。乾燥した粘膜はひび割れやすく、そこに少し刺激が加わるだけで血管が切れてしまいます。加湿器をつけても、なかなか鼻の中までは潤わないこともあります。

 

4. 鼻をかみすぎる

風邪などで鼻水が出ている時、何度も強く鼻をかむと、鼻の中の粘膜に負担がかかり、血管が傷ついて鼻血が出ることがあります。

 

5. ぶつけたり、転んだりした衝撃

遊び盛りの時期は、転んだり、ぶつけたりすることがよくあります。その際に鼻を強打して、鼻血が出ることもあります。これは外傷によるものなので、一時的な出血であれば心配いりません。

 

6. のぼせ、興奮

お風呂上りや運動後など、体が温まって血行が良くなっている時に、少しの刺激で鼻血が出やすくなることがあります。また、興奮して大声を出したり、泣きすぎたりすると、顔に血が上り、鼻血が出ることがあります。


 

鼻血が出た!どうする?正しい対処法

いざ鼻血が出た時、慌てずに正しい対処法を知っておくことが大切です。間違った対処法をしてしまうと、かえって血が止まりにくくなることもあるので注意しましょう。

 

絶対にやってはいけないこと!

  • 上を向く、仰向けに寝かせる: 鼻血が喉に流れ込み、むせたり、吐いてしまったりする可能性があります。また、血液を飲み込んでしまうと、後で気持ち悪くなって吐いてしまうこともあります。
  • 首の後ろを叩く: 迷信です。医学的根拠は全くありませんし、出血が止まる効果もありません。
  • ティッシュを奥まで詰める: 止血には効果がなく、かえって粘膜を傷つけたり、ティッシュが鼻の中で固まって取れなくなったりする可能性があります。

 

これが正解!正しい止血方法

  1. 落ち着いて、座らせる(または立たせる): まずお子さんを落ち着かせ、座らせるか、少し前のめりになるように立たせます。
  2. 小鼻(鼻のやわらかい部分)をしっかりつまむ: 片方の鼻だけから出血している場合でも、両方の小鼻(鼻の穴の下のやわらかい部分)を、**親指と人差し指でしっかりとつまみます。**指でつまむ位置は、鼻の骨がある硬い部分より少し下の、やわらかい部分です。ここが、先ほどお話したキーゼルバッハ部位がある場所です。
  3. 少し下を向かせる: 血液が喉に流れないように、少し下を向かせます。
  4. 10〜15分間、つまみ続ける: 最低でも10分間、できれば15分間は、指を離さずにつまみ続けます。途中で「止まったかな?」と確認するために指を離してしまうと、また出血してしまうことが多いので、我慢してつまみ続けましょう。
  5. 氷や冷たいタオルで鼻や額を冷やす(任意): 血管を収縮させる効果があるので、可能であれば鼻の付け根や額を冷やしてあげると、止血を助ける効果が期待できます。お子さんが嫌がるようでしたら無理に冷やさなくても大丈夫です。
  6. 止まったら、しばらく安静に: 血が止まったら、しばらくは激しい運動をさせたり、鼻をいじらせたりしないように注意しましょう。

 

こんな時は病院へ!受診の目安

ほとんどの鼻血は家庭で対処できますが、中には医療機関の受診が必要なケースもあります。以下のような場合は、小児科を受診しましょう。

 

1. なかなか血が止まらない時

正しい止血方法を試しても、20分以上血が止まらない場合は、医療機関を受診しましょう。長時間出血が続くと、貧血になってしまうこともあります。

 

2. 出血量が多い時

タラタラと少量ずつではなく、ボタボタと大量に出血する場合や、止まってもすぐにまた大量に出てしまう場合は、受診が必要です。

 

3. 鼻血を繰り返す時

毎日のように鼻血が出る、週に何度も鼻血が出るなど、頻繁に鼻血を繰り返す場合は、鼻の中に傷がある、アレルギーなど根本的な原因がある、あるいはごく稀に血液の病気が隠れている可能性も考えられます。一度、小児科や耳鼻科で相談してみましょう。

 

4. 顔色が悪い、ぐったりしているなど、全身の状態が悪い時

鼻血以外に、顔色が青白い、ぐったりしている、めまいを訴えるなど、貧血を疑う症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

 

5. 高熱やあざがある時

鼻血と同時に、高熱が続く、体に原因不明のあざがたくさんできるといった症状がある場合は、血液の病気など、より詳しい検査が必要になる可能性があります。すぐに受診してください。

 

6. 固まりの血(血の塊)が出る時

鼻血が大量で、固まりの血が出てくる場合は、鼻の奥の方から出血している可能性もあります。


 

鼻血を予防するためにできること

お子さんの鼻血を完全に防ぐことは難しいですが、日頃からできる予防策もあります。

 

1. 鼻いじりの癖を直すようなこえかけ

これが一番の予防策です。「鼻をいじると鼻血が出ちゃうよ」「鼻の中にバイキンが入っちゃうよ」などと優しく伝え、鼻いじりの癖を直すように促しましょう。

 

2. 鼻の乾燥を防ぐ

空気が乾燥する季節は、加湿器を使ったり、濡れタオルを室内に干したりして、室内の湿度を保ちましょう。ワセリンなどの保湿剤を綿棒で鼻の入り口に塗ってあげるのも効果的です。

 

3. アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎がある場合は、適切な治療を行うことで、鼻のかゆみや炎症を抑え、鼻血の頻度を減らすことができます。小児科や耳鼻科で相談してみてください。

 

4. 爪を短く切る

鼻をいじってしまった時に、爪で粘膜を傷つけないよう、お子さんの爪は常に短く切っておきましょう。


 

最後に

お子さんの鼻血は、ほとんどが成長の過程でよく見られるものであり、慌てる必要はありません。大切なのは、親御さんが落ち着いて正しい対処法を知り、適切に対応することです。そして、もし不安なことや気になることがあれば、いつでも当クリニックにご相談ください。

「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」では、お子さん一人ひとりの状態に合わせて、わかりやすく、優しく寄り添った診療を心がけています。エビデンスに基づいた情報提供はもちろん、ご家族の不安を少しでも和らげられるよう、丁寧な説明を大切にしています。

お子さんの健やかな成長を、ご家族とともにサポートできるよう、これからも地域のお子さんたちの「かかりつけ医」として尽力してまいります。

何か心配なことがあれば、いつでもお気軽にご来院ください。

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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