【突然のけいれんにびっくり!】こどものてんかんを正しく理解しよう - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

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【突然のけいれんにびっくり!】こどものてんかんを正しく理解しよう

「急にこどもがけいれんを起こしてびっくりした!」「てんかんと言われたけど、どういう病気なの?」そんな不安をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。こどものてんかんは決して珍しい病気ではなく、正しい知識を持つことで適切に対応できます。

今回は、てんかんの原因や症状、診断方法、治療、日常生活の注意点について詳しく解説します。

てんかんとは?

てんかんとは、脳の神経細胞が異常に興奮することで起こる発作を特徴とする病気です。子どもの約1%がてんかんを発症すると言われており、珍しい病気ではありません。

発作の種類はさまざまで、短時間の意識消失や軽いけいれんから、全身が硬直する激しいけいれんまで多岐にわたります。

子どものてんかんの主な原因

てんかんの原因はさまざまですが、大きく分けると以下のようになります。

  • 特発性てんかん(原因がはっきりしないもの)
  • 症候性てんかん(脳の損傷や遺伝的な要因によるもの)
  • 構造的な異常(先天的な脳の異常や脳梗塞、脳腫瘍など)
  • 代謝異常や遺伝子異常

どんな発作があるの? てんかん発作の種類

てんかん発作にはさまざまなタイプがあります。

1. 全般発作(脳全体で起こる発作)

  • 強直間代発作(大発作):突然意識を失い、全身が硬直したあとにガクガクとけいれんする。
  • 欠神発作:数秒〜十数秒間ぼーっとして動きが止まる(「瞬間的に意識が飛ぶ」ように見える)。
  • ミオクローヌス発作:短い時間にピクッと筋肉が収縮する。

2. 焦点発作(脳の一部で起こる発作)

  • 単純部分発作:意識は保たれたまま、体の一部がピクピク動く。
  • 複雑部分発作:意識がぼんやりし、無意識に口をもぐもぐ動かしたり、意味のない動きをする。

診断方法は?

てんかんの診断には、以下のような検査を行います。

  1. 脳波検査(EEG):脳の電気的な活動を記録し、異常な波形があるかを確認。
  2. MRI・CT検査:脳に構造的な異常がないかを調べる。
  3. 血液検査:代謝異常や感染症の有無をチェック。

治療方法は?

1. 抗てんかん薬の服用 てんかんの治療の基本は「抗てんかん薬」の服用です。約70%の子どもは、適切な薬の服用で発作をコントロールできます。

2. 外科的治療 薬で発作をコントロールできない場合、手術で異常な部分を取り除くこともあります。

3. ケトン食療法 食事療法の一つで、脂肪を多く摂取し、糖質を制限することで発作を抑える方法です。

発作が起きたときの対応

お子さんが発作を起こしたとき、慌てずに以下の対応をしましょう。

  1. 安全を確保する(周囲の危険物を取り除く)
  2. 体を横向きにする(嘔吐しても気道をふさがないように)
  3. 発作の時間を計る(5分以上続く場合は救急車を呼ぶ)
  4. 口に物を入れない(舌を噛むのを防ぐ目的で口に物を入れるのは危険)
  5. 発作後は落ち着くまで様子を見る

日常生活の注意点

  • 規則正しい生活を送る(睡眠不足は発作を誘発しやすい)
  • ストレスを避ける
  • 入浴時は一人にしない(浴槽での発作は溺れる危険があるため)
  • 適度な運動を取り入れる(発作のコントロールができていれば、運動も可能)

てんかんと上手に付き合おう

てんかんと診断されると、不安になることも多いかもしれません。しかし、適切な治療と生活習慣の工夫で、発作をコントロールしながら元気に生活しているお子さんもたくさんいます。

もし「うちの子もしかして?」と思ったら、早めに小児科医に相談することが大切です。お子さんが安心して過ごせるよう、正しい知識を持ってサポートしていきましょう!

<参考>
てんかんinfo「小児てんかん」
慶應義塾大学病院KOMPAS「小児のてんかん」
日本小児神経学会「てんかん」

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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