ブログ
Blog
Blog
最近、「手足口病(てあしくちびょう)」 の患者さんが見られる地域も出てきています。
「名前は聞いたことあるけど、どんな病気?」「保育園にはいつから行けるの?」と、親御さんからの質問も寄せられています。
今回は、そんな 手足口病について、できるだけ分かりやすく、丁寧に 解説していきます。お子さんが安心して過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
手足口病は、ウイルスによって引き起こされる感染症です。主に 夏から秋にかけて流行 し「夏かぜ」の1つです。特に保育園や幼稚園など集団生活をしている小さなお子さんの間で広がりやすい病気です。
原因となるウイルスは、主に以下のようなものです。
コクサッキーウイルスA16型
エンテロウイルス71型(EV71)など
感染しても症状が軽く済むことも多いものの、まれに合併症を起こすこともあるため注意が必要です。
名前のとおり、「手」や「足」、そして「口の中」 に発疹や水ぶくれのような症状が現れるのが特徴です。
主な症状は…
✅ 口の周りや口の中にできる小さな水ぶくれや口内炎(食欲低下の原因に)
✅ 手のひらや足の裏に小さな赤い発疹や水ぶくれ
✅ 発熱(時には40℃台の高熱)
✅ のどの痛みやぐずり
✅ おしりや膝などに発疹が出ることも
中でもつらいのが 口の中の痛み。
「ごはんを食べたがらない」「水も飲みたがらない」といった様子もよくみられます。
はい、手足口病はとても感染力が強い病気です。以下のような経路で感染します。
💦 くしゃみや咳による飛沫感染
👐 ウイルスがついた手やおもちゃなどからの接触感染
💩 便に含まれるウイルスからの感染(オムツ交換時など)
感染してから2~5日ほどで発症しますが、症状が出る前からうつることもあります。また、症状が治まったあとも、便の中には2~4週間ウイルスが残るため、トイレ後の手洗いは徹底しましょう。
手足口病に特効薬はありません。ウイルスが自然におさまるのを待つことになります。
家庭でできるケアとしては以下のようなものがあります。
🧴 口の痛みで食べづらい場合は、冷たいゼリーやプリン、豆腐などを
🥤 こまめな水分補給を忘れずに(麦茶やイオン飲料など)
🛌 熱が高いときは涼しくして安静に
🧼 家族で手洗いを徹底して感染予防
「ごはんが食べられない」「水も飲めない」 という場合は、脱水のリスクがあるため、早めに小児科を受診してください。
気になるのが「いつから保育園・幼稚園に行っていいの?」という点ですよね。
実は、手足口病は学校保健安全法で出席停止が義務付けられている病気ではありません。しかし、以下のような場合にはお休みをおすすめしています。
✔️ 熱がある、ぐったりしている
✔️ 口の中が痛くて食事や水分がとれない
✔️ 発疹が広がってかゆみ・いたみ・違和感が強い
元気があって、食事・水分がしっかり取れるようになれば、登園・登校は可能です。ただし、園や学校ごとにルールが異なる場合もあるので、確認しましょう。
手足口病は、基本的には数日で自然に回復する病気ですが、口の中の痛みや脱水に注意が必要です。
親御さんとしては、
「食べられてるかな?」
「水分はちゃんととれてる?」
「熱は何度くらい?」
など、お子さんの様子をしっかり観察してあげることが大切です。
「なんだか心配…」というときは、いつでも受診してくださいね。
当院でも手足口病の診察を行っています。
症状があって不安なとき、保育園への対応で迷ったときなど、どうぞお気軽にご相談ください。
地域のこどもたちが、元気に毎日を過ごせるように。
お子さんの健康を全力でサポートいたします。
手足口病 夏かぜ
手足口病 症状
手足口病 登園の目安
手足口病 うつる
手足口病 治療
手足口病 子ども
手足口病 何日休む
<参考>
・当院Blog「手足口病・ヘルパンギーナ流行ってきています」
・厚生労働省HP「手足口病」
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)