【注意!夏の食中毒④】お弁当が危ない!?子どものブドウ球菌食中毒から家族を守るには! - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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【注意!夏の食中毒④】お弁当が危ない!?子どものブドウ球菌食中毒から家族を守るには!

 

夏本番、食中毒のニュースが増える時期になります。特に小さなお子さんがいるご家庭では、食中毒は心配なことの一つだと思います。今回は、よく耳にする「ブドウ球菌食中毒」について、親御さんが「これだけは知っておいてほしい!」というポイントを分かりやすくお話しします。


 

ブドウ球菌ってどんな菌?どこにいるの?

「ブドウ球菌」と聞くと、なんだか強そうな菌に聞こえるかもしれませんが、実はこの菌、私たちの身近なところに潜んでいます。

一番多いのは、私たちの手のひらや指、鼻の中、のど、そして傷口などにいます。健康な人でも約30~50%の人が持っていると言われている、ごく一般的な細菌なんです。

「え、じゃあいつも食べてるの?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。ブドウ球菌そのものを少し食べたからといって、すぐに食中毒になるわけではありません。


 

なぜ食中毒になるの?ブドウ球菌の「毒」に要注意!

ブドウ球菌による食中毒の原因は、菌そのものではなく、ブドウ球菌が作り出す「毒素(エンテロトキシン)」という物質です。

ブドウ球菌は、私たちの体にいるだけでなく、実は食品の中でも増えることができます。特に、下記のような環境がブドウ球菌が元気に増えて、毒素をたくさん作る「温床」になりやすいんです。

  • 温度が高い場所(20℃〜40℃くらいが一番好きです)
  • 時間が経過した食品(調理してから時間が経つほど増えやすい)
  • 人の手で触れる機会の多い食品(おにぎり、サンドイッチ、お弁当のおかずなど)

例えば、運動会や遠足で持っていくお弁当をイメージしてみてください。朝早く作って、常温の場所に数時間置いておくと、その間にブドウ球菌が増えて毒素が作られてしまうことがあります。「おにぎり」「サンドイッチ」「卵焼き」「ポテトサラダ」など、人の手で触れることの多い料理は特に注意が必要です。

この毒素は、一度作られてしまうと熱を加えても壊れにくいという厄介な特徴があります。だから、「しっかり加熱したから大丈夫!」とは言えないところが、ブドウ球菌食中毒の怖いところなんです。


 

どんな症状が出るの?潜伏期間は?

ブドウ球菌食中毒の特徴は、何といっても症状が出るまでの時間がとても短いことです。毒素を摂取してから30分〜6時間(平均3時間)という短時間で、以下のような症状が現れます。

  • 激しい吐き気
  • 嘔吐(何度も吐いてしまうことが多いです)
  • 腹痛
  • 下痢(ただし、下痢は比較的軽いことが多いです)

熱はあまり出ないことが多いですが、小さいお子さんの場合はぐったりとして元気がなくなったり、脱水症状を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。


 

もしブドウ球菌食中毒かも?と思ったら

もしお子さんが上記のような症状を訴えたら、まずは落ち着いて、かかりつけの小児科を受診してください。

特に、水分が取れない、おしっこが出ない、ぐったりしているなどの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。脱水症状が進行すると危険な場合もあります。


 

大切なのは「予防」!家庭でできる4つのポイント

ブドウ球菌食中毒の予防は、家庭でのちょっとした心がけがとても大切です。

 

1. 調理前と食事前の手洗いを徹底する!

石鹸で30秒以上かけて丁寧に洗いましょう。指の間や爪の中も忘れずに!これは食中毒予防の基本中の基本ですね。お子さんにも一緒に手洗いの大切さを教えてあげてください。

 

2. 食品を素早く冷やす・温める

ブドウ球菌は、20℃〜40℃で増えやすいので、調理したものはすぐに食べきるか、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れましょう。お弁当を作る際は、前日の夜に作って冷ましておくのはNGです。夏場のお弁当は保冷剤をしっかり活用しましょう。温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく保つことが重要です。

 

3. 調理器具を清潔に保つ!

まな板や包丁、ふきんなども、使用後は熱湯消毒したり、清潔に保つようにしましょう。

 

4. 傷がある場合は調理を控える!

手に傷がある場合は、菌が付着しやすいので、できれば調理を控えるか、使い捨ての手袋を使用しましょう。


 

まとめ

ブドウ球菌食中毒は、症状が突然現れてつらいものですが、きちんと予防すれば防ぐことができます。

  • ブドウ球菌は身近な菌で、人の手や鼻などにいる
  • 菌が出す「毒素」が原因で食中毒になる
  • 毒素は熱に強いので、加熱しても安心できない
  • 症状は嘔吐や腹痛が主で、潜伏期間が短いのが特徴
  • 手洗い、温度管理、清潔な調理、傷口の保護が予防の鍵!

これらのポイントを家族みんなで意識して、これからの季節も安心しておいしい食事を楽しんでください。
当クリニックでは、お子さんの体調で気になることがあれば、いつでもご相談をお待ちしております。

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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