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当院の「トラベルワクチン外来」では海外出張、その帯同、旅行、留学などで海外渡航するかたが多く受診されています。楽しい海外生活の準備の真っ只中、「そういえば、海外の感染症って大丈夫なのかな…?」と、ふと心配になることもあるかもしれません。
そうは言っても、渡航先に必要と思われるワクチンをご自身でアレンジするのは難しいと思います。
当院トラベルワクチン外来は、小児も成人も対応していますので、ご家族まとめての対応も可能ですし、渡航先別に最適なワクチンの提案・スケジューリングをさせていただきます。。渡航が決まりましたらお早めにまずはご相談ください。
トラベルワクチン外来はお電話で受け付けております(044-739-0888)。
今回は、特に東南アジア・中東・アフリカへ渡航される方に注意していただきたい「ポリオ」についてお話しします。
「ポリオ」と聞くと、一昔前の病気というイメージがあるかもしれませんが、実は今でも世界の一部の国々では流行が続いています。海外への出張や留学、家族での旅行を計画されている皆さんは、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身や大切なご家族を守るための備えについて考えてみてください。
ポリオは、「小児まひ」とも呼ばれるウイルス性の感染症です。主な感染経路は、ポリオウイルスに汚染された食べ物や水を口にすること(経口感染)です。感染しても症状が出ない方もいますが、一部の方、特に小さなお子さんが感染すると、以下のような重い症状を引き起こすことがあります。
一度麻痺が起こってしまうと、残念ながら有効な治療法はありません。そのため、ポリオから身を守るためには、ワクチンによる予防が非常に重要なんです。
日本にいると、ポリオの発生はほとんど耳にしませんよね。これは、日本で長年行われてきたワクチン接種の効果のおかげです。しかし、世界に目を向けると、東南アジア、中東(アフガニスタンやパキスタンなど)、アフリカ諸国などでは、現在でもポリオウイルスが検出されたり、患者さんが報告されたりしています。
皆さんがこれらの流行地域へ渡航する場合、現地でポリオウイルスに接触するリスクが高まります。また、ご自身が感染していなくても、知らないうちにウイルスを日本に持ち帰ってしまう、という可能性もゼロではありません。
特に、以下のような方は渡航前のワクチン接種を強くおすすめします。
当院のトラベルワクチン外来では、不活化ポリオワクチン(IPV)の接種を行っています。不活化ポリオワクチンは、ウイルスそのものではなくウイルス断片を用いて作ったワクチンなので、安全性が高いことが特徴です。
成人の方の中には、「子どもの頃にポリオの予防接種を受けたから大丈夫!」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、子どもの頃に受けたワクチンの免疫は、時間の経過とともに徐々に弱まってしまいます。特に、成人になってから流行国へ行く場合は、十分な免疫が残っていない可能性があるため、子どもの頃に経口生ポリオワクチンを接種していても、不活化ポリオワクチンの接種をおすすめしています。
海外渡航を計画されている方は、渡航先がポリオ流行国かどうか、必ず事前に確認しましょう。厚生労働省のホームページや、外務省の海外安全情報などで最新の情報を得ることができます。
当院では、海外渡航のご予定に合わせて、必要なワクチンの種類や接種スケジュールについて、丁寧にアドバイスさせていただきます。お子さんの予防接種から、大人の方向けのトラベルワクチンまで幅広く対応していますので、どうぞお気軽にご相談ください。
「旅行まで時間がないけど大丈夫かな?」とご心配な方もいらっしゃるかもしれません。まずは、お電話(044-739-0888)でお問い合わせください。
安全で楽しい海外渡航のために、不活化ポリオワクチン接種をご検討くださいね。皆さんの健やかな旅を心から願っています!
【当院のトラベルワクチン外来】
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)