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赤ちゃんのおしりや背中に、青っぽいあざがあるのを見つけて「これって何だろう?」と心配になったことはありませんか?多くの場合、それは蒙古斑(もうこはん)です。日本人を含むアジア系の赤ちゃんによく見られる、生まれつきのあざです。でも、もしそれが腰やおしり以外の場所にあったら…?今回は、そんな「異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)」について、小児科医の視点から詳しくお伝えします。
まず、蒙古斑とは、皮膚の深い部分に色素を作る細胞(メラノサイト)が集まることでできる青っぽいあざのことです。おしりや背中にかけて見られることが多く、生後1-2歳ごろまでは少し濃くなることがありますが、10歳前後には大部分が自然に消えていきます。
一方で、異所性蒙古斑は、この蒙古斑がおしりや背中以外の場所、例えば腕や足、お腹などにあるものを指します。「異所性」という名前の通り、「違う場所にある」という意味ですね。
蒙古斑も異所性蒙古斑も、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で育つ過程で、メラノサイトが皮膚の表面に出てくるのが遅れて、皮膚の深いところでとどまってしまったためにできると考えられています。お子さんの健康に影響を及ぼすものでもありません。
「妊娠中、何か悪いことをしたかな?」「私のせいかな?」なんて心配する必要は全くありません。遺伝的な要因もあると言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
多くの蒙古斑は、生後1-2歳ごろまでは少し濃くなることがありますが、10歳前後には大部分が自然に消えていきます。
一方で、異所性蒙古斑は消えにくいことが知られています。
青みが薄い場合は自然に消えることが期待できるので様子を見ることが多いです。痛みやかゆみを伴うこともありません。
しかし、もし以下のような場合には、一度受診してみることをお勧めします。
色調が濃い場合や広範囲で進行していく場合は、他の疾患の合併を疑う場合があります。
青みが濃い場合、大きい異所性蒙古斑(10cm以上)などの場合はレーザー治療を行うことがあります。レーザー治療を検討する場合は、連携している高次医療機関に紹介いたします。
レーザー治療によって、皮膚が黒くなったり白く色が抜けてしまったりすることもありますので、必ず行う治療法ではありません。
A1: 異所性蒙古斑は、青みがかった色で、境界が比較的はっきりしているのが特徴です。指で押しても色は変わりません。
他のあざには、以下のようなものがあります。
気になるあざがあれば、自己判断せずに小児科医にご相談いただくのが一番安心です。
A2: 大丈夫です。異所性蒙古斑があること自体が、将来的に特定の病気にかかりやすくなるという医学的な根拠はありません。色調が濃い場合や広範囲で進行していく場合は、他の疾患の合併を疑う場合がありますので相談してください。
A3: 大人になっても残る異所性蒙古斑はまれですが、もし見た目が気になるようでしたら、皮膚科を受診相談してみてください。美容的な観点からレーザー治療などの選択肢も検討できます。
お子さんの体に青っぽいあざを見つけて、ご心配になった親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、異所性蒙古斑は病気ではなく、多くの場合、お子さんの成長とともに自然に消えていくものです。
当クリニックでは、お子さんのあざに関するご相談も幅広く承っております。もしご心配なことや、もう少し詳しく話を聞きたいことがありましたら、いつでも当クリニック皮膚科をお気軽に受診してくださいね。お子さんの健やかな成長を、ご家族と一緒にサポートさせていただきます。
当クリニック皮膚科は、日時指定の予約制となっています。下記URLの「皮フ科」のタグから予約を取得してください。当院初めての方でもWeb予約は取得していただけます。
待合も診察室も、発熱している患者さんとは別のクリーンゾーンで診察しています。
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)