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当クリニックには、1か月健診や3,4か月健診の際に赤ちゃんの保護者の方から、様々なお悩みのご相談が寄せられます。その中でも、時に「あれ?耳の前に小さな突起があるんですけれど…これって何ですか?」とご質問いただくことがあるのが、今回お話しする「副耳(ふくじ)」です。
初めてお子さんの耳元に小さな突起を見つけた時、多くのお父さんやお母さんは「この突起はなに?」「病気なのかな?手術するのかな?」と心配になりますよね。でも、ご安心ください。副耳は、ほとんどの場合、心配のいらないものなんです。
ChatGPTで作画
副耳は、生まれた時から耳の付け根や、少し前方にできる、皮膚や軟骨の小さな突起のことです。形は様々で、まるで小さなイボのように見えるものから、米粒くらいの大きさのもの、中には少し耳たぶのような形をしているものまであります。多くは片方の耳にできますが、両方の耳にできることもあります。
副耳ができる原因は、実はまだ完全に解明されているわけではありません。しかし、赤ちゃんの耳が作られる過程で、本来なら一つにまとまるはずの組織が、一部余分に残ってしまったものと考えられています。これは、赤ちゃんの成長の過程で起こる、ごく自然な「発生の過程のバリエーション」のようなものだと考えていただくと分かりやすいかもしれません。
例えるなら、おにぎりを作る時に、ちょっとご飯がはみ出しちゃった、というようなイメージでしょうか。体の構造を作る過程で、少しだけ設計図とは違う部分ができた、という風に捉えられます。遺伝的な要因が関わっていることもありますが、必ずしもご家族に副耳があるからといって、お子さんにできるわけではありません。
多くの保護者の方が一番気になるのは、「お子さんの健康に何か影響があるのか?」という点だと思います。結論から言うと、ほとんどの副耳は、お子さんの健康に悪影響を及ぼすことはありません。
日常生活を送る上で、お子さんが副耳のせいで何か困る、ということはほとんどないと考えていただいて大丈夫です。
健康面での心配は少ない副耳ですが、保護者の方が気にされるのは、主に以下の2点ではないでしょうか。
副耳は、医学的に治療が必要となるケースは稀です。しかし、見た目や引っ掛かりのリスクを考慮して、切除を検討される方もいらっしゃいます。
副耳の切除は、主に以下の2つの方法があります。連携している医療機関の形成外科をご紹介いたします。
結紮術は、赤ちゃんのうち、特に生後間もない時期に行うのが良いとされています。これは、神経の発達が未熟なため痛みが少なく、また、お子さんが自分で副耳を引っ掻いてしまうリスクが低いからです。
手術の場合も、お子さんが成長して動きが活発になる前に済ませておくと、術後の管理がしやすくなります。しかし、お子さんの発達や副耳の状態によって最適な時期は異なりますので、まずは小児科医にご相談ください。
お子さんの耳元に副耳らしきものを見つけたら、まずは当クリニックを受診してください。
日本小児科学会認定小児科専門医が、それが本当に副耳なのか、他に何か特別な治療が必要な病気ではないか、まずは診察します。そして、副耳と診断された場合は、保護者の方のご心配やご希望をお伺いし、切除の必要性や時期、方法について、お子さんの状態に合わせて最適なアドバイスをさせていただきます。
当クリニックでは、お子さんの健やかな成長をサポートするため、エビデンスに基づいた最新の医療情報を提供しつつ、保護者の方に寄り添った分かりやすい説明を心がけています。「家族とともに未来を担うこども達の健やかな成長と幸せを目指します」という理念のもと、どんな些細なことでもお気軽にご相談いただけるようなクリニックでありたいと思っています。
お子さんの副耳についてご心配なこと、気になることがありましたら、ご予約をお待ちしております。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)