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当院の「トラベルワクチン外来」では海外出張、その帯同、旅行、留学などで海外渡航するかたが多く受診されています。楽しい海外生活の準備の真っ只中、「そういえば、海外の感染症って大丈夫なのかな…?」と、ふと心配になることもあるかもしれません。
そうは言っても、渡航先に必要と思われるワクチンをご自身でアレンジするのは難しいと思います。
当院トラベルワクチン外来は、小児も成人も対応していますので、ご家族まとめての対応も可能ですし、渡航先別に最適なワクチンの提案・スケジューリングをさせていただきます。。渡航が決まりましたらお早めにまずはご相談ください。
トラベルワクチン外来はお電話で受け付けております(044-739-0888)。
今回は「狂犬病」についてお話しします。
当院では渡航前の狂犬病ワクチン接種、犬に代表される哺乳類にかまれてしまった場合の曝露後狂犬病ワクチン接種にも対応しています。
狂犬病は、狂犬病ウイルスを持った動物に咬まれたり、引っかかれたりすることで感染する病気です。人から人へは通常感染しません。そして、この病気の最も恐ろしい点は、一度発症すると、ほぼ100%助からないということです。治療法がない、と考えていただいて良いでしょう。
「狂犬病」という名前から犬だけが感染源だと思う方もいますが、実は犬だけでなく、猫、キツネ、アライグマ、コウモリなど、あらゆる哺乳類が狂犬病ウイルスを持っている可能性があります。特に海外では、野良犬や野良猫がたくさんいる地域も多く、そうした動物との接触は常にリスクと隣り合わせなのです。
はい、ご安心ください。日本は狂犬病の清浄国です。国内で飼育されている動物や日本に生息する野生動物から感染する心配は基本的にありません。しかし、これはひとえに、過去の徹底した対策と、水際での検疫が厳しく行われているおかげです。
狂犬病はアジア、アフリカ、中南米、中近東、北米など、世界中の多くの国で発生しています。例えば、人気の旅行先であるタイやベトナム、インドネシアといった東南アジアの国々、またインドや中国なども狂犬病の発生が多い地域として知られています。これらの国では、野犬が普通に街中にいたり、エキゾチックな動物と触れ合える観光地があったりしますよね。かわいいと思って安易に近づいてしまうと、思わぬ危険にさらされる可能性があります。
万が一、海外で動物に咬まれたり、引っかかれたりしてしまったら、すぐに傷口を石鹸と水でよく洗い流してください。そして、できるだけ早く現地の医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。狂犬病のウイルスは神経を伝って脳に到達するため、発症する前にワクチンを連続して接種する(曝露後接種)ことで発症を抑えることができます。しかし、現地で信頼できる医療機関を探すのは簡単ではありませんし、時間との勝負になります。
そこで皆さんにお伝えしたいのが、渡航前の狂犬病ワクチン接種です。これは「曝露前接種」といい、あらかじめ体の中に狂犬病ウイルスに対する免疫を作っておくことで、万が一動物に咬まれてしまった場合でも、発症のリスクを大幅に下げ、その後の治療も簡易的にすることができます。
特に以下のような方は、渡航前のワクチン接種を強くおすすめします。
当院では、皆さんの状況に合わせて、以下の狂犬病ワクチンを接種いただけます。
どちらのワクチンも効果は同等ですが、ご希望や供給状況に応じてご案内させていただきます。
海外での生活や旅行は、新しい発見や感動がたくさんあります。しかし、その陰には、私たち日本人には馴染みのない感染症のリスクも潜んでいます。狂犬病は、発症してしまうと手の施しようがない恐ろしい病気です。
「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、渡航前にしっかりと対策をして、安心して海外での時間を楽しんでください。狂犬病ワクチン接種についてご興味のある方、ご不安な点がある方は、ぜひ一度ご相談ください。皆さんの安心・安全な渡航を、当院は全力でサポートさせていただきます!
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)