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最近、スーパーやコンビニで手軽に買えるようになった「エナジードリンク」。色鮮やかなパッケージや、元気が出そうなイメージから、小学生や中学生の間でも興味を持つ子が増えてきています。
しかし小児科専門医としては、「エナジードリンクは、決して子どもにおすすめできない」と考えます。
エナジードリンクには、眠気を覚ましたり集中力を高めたりする作用のあるカフェインが含まれています。大人にとっても過剰摂取は避けるべき成分ですが、体の小さい子どもには特に強い影響を及ぼします。
エナジードリンクは、カフェインの苦みを消すために甘い味付けをしているため、こどもが興味を持ってしまいます。また、自動販売機で簡単に購入することができることもこどもが飲みたがる原因の1つかもしれません。
カフェインには、以下のような症状が報告されています:
動悸・めまい
不眠・イライラ
腹痛・吐き気
集中力の低下
情緒不安定
これらの症状は、たとえ1本であっても起こることがあります。
FNNプライムオンライン「勉強中に飲みすぎかも?”カフェイン”が意外と多い飲み物に子どもは注意…管理栄養士に受験生を支える親の留意点を聞いた」から引用
子どもは、大人に比べてカフェインの代謝が遅く、身体への負担も大きくなりがちです。特に心臓や神経がまだ発達途中の子どもにとって、カフェインの刺激は強すぎる可能性があります。
また、体質によってはカフェインに敏感な子どももおり、「友達は平気だったから自分も大丈夫」とは限りません。
小児科医の立場から言うと、中学卒業まではエナジードリンクの摂取を避けるべきと考えます。
部活や勉強で疲れているからといって、エナジードリンクで元気を補おうとしたり、中学受験性に臨む我が子にエナジードリンクを差し入れたりすると、生活習慣や睡眠のリズムが乱れたり、カフェインに依存しやすくなったりと、成長への悪影響が心配されます。
お子さんに「どうして飲んじゃダメなの?」と聞かれた時は、次のような説明をしてみてください。
「子どもの体には、ちょっとした刺激でも強く影響しちゃうんだよ」
「元気になりたいときこそ、まずはしっかり食べて寝ることが大切だよ」
「高校生くらいになったら、少しずつ考えていこうね」
否定ではなく、納得できる理由を伝えることが大切です。
エナジードリンクは、大人の仕事や勉強のサポートを目的に開発された飲み物です。見た目はジュースに近くても、実際は強い刺激物であり、子どもが飲むには不適切です。
「エナジードリンク 子ども」「中学生 飲んではいけない」「カフェインの影響」などの検索が増えている今こそ、ご家庭でもぜひ話し合っていただきたいテーマです。
“飲むなら高校生以降から”が、子どもの健康を守る合言葉。
お子さんの健やかな成長を守るため、正しい知識をもとにした判断を、ぜひご家庭でも共有してください。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)